目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第290話 マイペースで行こう

結局誰のペースでもなく、

自分のペースで行くしかないよね。

マイペースマイペース。


学生時代、みんなに合わせることが苦手だった。

僕は得手不得手の幅がものすごくあったので、

得意なものは、かなり先まで出来たけれど、

苦手分野は、下から数えた方が早いくらいダメだった。

平均ってことがなかった。

みんなの平均的な速度というか、

勉強をものにしていく速度というか、

いわゆる平均的な勉強のペース的なもの。

それに合わせることがことごとくできなかった。

僕のペースはものすごくめちゃくちゃだった。

平均的でなかったので、

みんなも合わせづらかったと思う。

なんとなく、腫れ物扱いされていたなと思う。

僕は特殊だったんだろうな。


僕はいまいち対人関係も上手く行かない。

この感覚をどう伝えていいかわからないけれど、

他人の感情を上手く共有して我が事のように思うことができない。

あなたはそう思うんだね、そうだねで終わってしまう。

感情の共有が上手く行く人は、

あなたはそう思うんだね、それは喜ばしいことだね、私も嬉しい。

そんな風に広げることができるんだと思う。

感情の共有が上手く行く人は、

その感情がネガティブでも広げることができて、

たとえば一緒に怒ることもできる。

あの人の言ってること理にかなっていないと私も思うんだ、

なんか嫌だよね、と、話題を広げられる。

僕はそれができない。

あなたはあの人が嫌いなんだね、そうなんだね、

それで終わってしまう。

本当にそれで終わってしまうんだ。

興味がないのかもしれないけれど、

あなたはあなた、別の人だから、

僕と同じことを考えるわけないと思っていて、

安易に、同じことを考えているよと、同意をするよと、

そんなことができない。

だって別の人間だもの。

脳だって別だから、考えていることが同じことはあり得ないし、

感じている感情が同じだということはできないと思っている。

このあたりも、感情のペースが違うと思っていて、

他人の感情の波のペースに、合わせることができないんだと思っている。

それだから、対人関係は上手く行かない。

本当に、合わせられないんだ。


そんな、いろいろ上手く行かない学生時代を越えて、

社会人になって、会社に入って、

対人関係はあいかわらず壊滅だけど、

仕事は黙々とできるのでとりあえず居場所はあるし、

お給料も出る。

誰の陰口らしいものにも共感できないものだから、

仲間はいないけれど、

誰の悪口も言わない人となっているらしい。

一人でできる作業をとにかく黙々とできるので、

他人のペースを気にする必要がない。

与えられた仕事は自分のペースでやればいいから、

平均に合わせる必要もない。

それがものすごく楽だ。

わからなければ調べればいいし、

できる人のペースに合わせる必要も、

できない人のペースに合わせる必要もない。

マイペースにできるってこんなに楽だったんだと思う。


学生時代はペースを合わせるのにしんどかったけれど、

今は自分のペースで生きていけるのでかなり楽になった。

誰かのペースに合わせたとしても、

僕の人生は僕が生きるものだし、

僕の人生は僕のペースで生きるのが一番生きやすい。

また、このペースで生きなくてはいけないと言われたとしても、

その生き方の責任を取ってくれる人はいない。

あなたのペースはこうだから、

こんな風なペースで生きなくてはいけないという人がいたとしても、

そう生きなければこうなってしまうと、

僕の人生の責任を取ってくれるわけじゃない。

ある程度ペースを合わせた方が、

社会の中の形としては生きやすいかもしれないけれど、

僕は僕のマイペースが生きやすくて、

平均からはみ出しているマイペースで生きていくのがいい。

どうせ周りは適当なことを言ってるのだから、

僕は僕に合ったマイペースで生きる。

やっぱり他人にはうまく共感できないんだよね。


得手不得手の幅はあいかわらず大きいけれど、

僕は僕のペースをつかめて生きている。

結局誰のペースでもなく、

僕のペースで生きていく。

マイペースマイペース。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?