「私は、何度だってあの子を
「言ったかもしれんけど、あれは人間じゃあ……」
「一緒です!」
じんじんと痛む右手の人差し指を強く握った。
「だって、言葉も通じるし、笑ったり泣いたりするんですよ! 私たち人間と同じように!」
「だからあの
「人間扱いです!」
蟹原部長は顔に手を当てて、はぁーとため息をついた。うしろで猿山が『馬鹿マンコ』とつぶやいたのを私は睨みつける。
「あのなぁ」
低い声にビクリと肩を震わせる。蟹原部長が、氷みたいな目で私を見ていた。
「お前は馬鹿だから親切で言ってあげるけど、人喰はウィルスなんだよ。人間に寄生する、な。そんで、人喰ウィルスに寄生されると人間は死ぬ。で、人喰は死体の頭を乗っ取って、操って人間を食うわけだ」
だから、とつづける。
「人喰は、死体を操ってるだけなんだよ。お前が人間みたいだって思ってるそこの
「……そ、」
ごくり、とつばを飲み込む。恐る恐るポチのほうを……振り返る頭が震える、怖い。
「だから、人喰を人間みたいだなんて思うのはやめろ。喰われるぞ」