生まれた村へ帰ってくるのはいつ以来だろう。
夕日を浴び、赤く染まる木立や民家。
夕餉ゆうげの支度で煙も立ち上っている。
軽く手を上げると、向こうから手を上げてくる者がいる。
それを見て私は、手を振り下ろした。
刹那、火矢が放たれ村は赤く染まった。
魔王軍に降くだった私の、最初の任務だった。