武器や自身の能力を上げた、ショーン達は、次なる任務に向かうため、装甲トラックに向かう。
「分かった、済まないな? 武器を強化して貰って…………」
「いや、昨日の事があったからね?」
「そうさ、気にするなっ!」
ショーンは、沢山の武器を強化して貰い、サーラとギドロ達に感謝する。
「ギドロ、サーラ? 見張り台を作るぞ? ショーン達も居たか? 物資の積み込みは終わったぞ、注文の品である、武器や弾薬は箱の中に入ってあるからな」
作業場に、ゴルバが現れると、彼は周りに立っている面々を見渡す。
「ん? 何をやっとるんだ?」
「店長、自分用に買った改造部品で、武器を強化してたんです」
「まあ、彼等には世話に成りましたし」
怪訝な雰囲気で、ゴルバが呟くと、ギドロとサーラ達は作業を報告した。
「まあ、それなら構わないだろう? 食糧も届けて貰ったしな」
二人の報告を聞いて、ゴルバは納得したらしく、両腕を組んで、静かに
「それから、新型ゾンビの出現が報告されているな? 怒鳴るって、意味のエングラーと言う女ゾンビと? 後は、ボンバーと言う名前の自爆ゾンビだっ! それに、周辺をファットゲローも
新しいタイプのゾンビが出現したと言っているが、ショーン達は既に知っていた。
「エングラー? 昨日の叫ぶ奴か? 他のゾンビを興奮させたり、警報器みたいに呼ぶ、ヤバイ敵だな」
「ボンバーは、自爆するゾンビね? 遠距離にからの銃や魔法による射撃が効きにくい奴ね? ファットゲローは、デブで巨漢のゾンビね…………」
「昨日、オートマグナムで射ちまくっても、かなり渋かった敵か?」
「私の雷撃魔法に突っ込んだら、一撃で死んだけど、アレは頭に雷が偶然直撃したから、倒れたんでしょうね?」
チンピラ達に暴行された女性が、エングラー化したのを思い出して、ショーンは顔を険しくさせる。
きっと、ウイルスに加えて、恨みや怒りにより、彼女はゾンビ化したのだろうと、彼は考えた。
リズは、特攻を仕掛けてきて、自爆するゾンビを見た時の恐怖が思い出されて、身震いした。
また、巨大なデブゾンビが、強酸や血液を吐きながら遠距離攻撃してきた事も頭に浮かんだ。
ギドロは、自身の放った弾丸が、中々射殺できなかったと重苦しい口調で語る。
同じく、サーラも自分が倒せたのは運が良かっただけかと考察する。
「あーー? 昨日の戦いは知らんが、ボンバーは肉片に体を守られているため、確かに射撃などを耐えながら突っ込んできて、いきなり自爆するらしいな? エングラーは、怒鳴るだけでなく、引っ掻き攻撃をする場合もあるから注意する必要がある」
「次々と、新たな敵ゾンビが登場しているな? まさか、パンデミックの中で進化しているのか?」
「どうやら、そう見たいね? これからも変わった奴が出て来ないと、いいんだけど…………」
新種のゾンビに関して、ゴルバは出会った時は、警戒するように話した。
彼の言葉を聞いて、ショーンとリズ達は、どんどん進化していく、敵を恐れて顔を青くさせる。
「まあ、悩んでいても仕方がないっ! ゴルバ、サーラ、ギドロ…………世話に成ったなっ! 俺達は出発するっ! また、何かあったら無線で呼んでくれな」
「武器の改造、すごく助かったわっ! ありがとうっ!」
「分かった、その時は、また使いまくってやるからなっ!!」
「また、何時でも来いっ! そしたら、また武器を強化してやるからなっ!」
「ええ、何時でも歓迎するわ、この要塞武器屋でねっ!」
ショーンとリズ達は、別れを告げて、作業部屋から出ていくと、ゴルバは彼の後ろ姿を見送った。
そして、ギドロとサーラ達も、声をかけながら出発していく彼等を見ていた。
「さて、いよいよ、出発するぞっ! 出してくれっ!」
「あいよっ! 今日も、私の運転だからねっ!」
ショーンが頼むと、カーニャは装甲トラックを、エンジンを吹かせて、勢いよく発進させる。
その荷台内部では、所狭しと、木箱や段ボール箱などが積み込まれていた。
「しかし、もう一台、装甲トラックが見つかるとはな? 軍隊は、ゾンビの鎮圧に失敗したのだろうか? 俺より腕のいい狙撃手は存在しなかったのか…………」
「ワシントン? どうなのかにゃ? 私も他所から来たから、ここの軍隊を知らないけど、軍はゾンビに負けたんじゃないかにゃ?」
「ああーー? それは、あり得るな? ショーン、昨日は警官ゾンビと戦ったよな」
「あったな、奴の拳銃は、めちゃくちゃに乱射していたから当たらなかったが、アレも中々の驚異だった」
簡単に、軍用車両を手に入る現状を、ワシントンとミー達は、不自然だと語り合う。
一方、スバスとショーン達も、ゾンビ化した警官がピストルを発砲していた事を思い出す。
「ショーン、海トカゲ団も、ジープ見たいなのに乗ってたわね? アレは盗んだ物かしら?」
「まあな、連中は傭兵部隊なみに武装していたから、元から保有していても可笑しくはない…………それに、軍や警察から装備を滷獲している事もあり得るな」
「二人とも、着いたよ? 車を乗り換えるよ?」
「どうやら、もうバリケードは出来ていたらしいな?」
リズとショーン達は、海トカゲ団員のライルズとスザンナ達が乗りっていた、コンボイを思い出す。
そうしていると、カーニャとテアン達が、目的地に着いたと知らせてくれた。
「おい? 武器運搬しているチームだな、話しは聞いていると思うが、建築現場に行ってくれ」
「分かったよ、すぐに降りるわっ! みんな、グズグズしてられないよっ!」
装甲トラックが停車すると、軽鎧を着ている、オークが話しかけてきた。
カーニャは、そう言いながら、運転席からドアを開けて飛び降りた。
「俺たちが作った、バリケードも材料に使われているな?」
「金網に車輪を着けてるわ? これなら、トラックも直ぐに通れる」
「上には、警備員か? 見張りも万全だねぇ」
「にゃ、ここから東に行けば、建設現場だにゃっ? きっと、チンピラやゾンビ達が…………」
後部ドアから降りて、別の装甲トラックに乗る前に、ショーンは辺りを見渡す。
同様に、スライド式の入口を見て、リズも呟きながら歩いていく。
フリンカは、赤い屋根の上で、ライフルや警棒を握る、トロールや女性冒険者を眺める。
遠く金網の向こうを見つめながら、ミーは敵地に存在するであろう危険を想像してしまう。
「いいから、早く乗った、乗った」
「グズついてる暇は無いぞ?」
カーニャとテアン達は、装甲トラックの運転席から、まだ乗っていない仲間たちを叱る。
「悪い、もう乗ったから出してくれっ!」
「それじゃ、出すよっ!」
後部ドアを閉めて、ショーンが頼むと、カーニャは装甲トラックを走らせた。
そして、熊人の冒険者に、金網フェンスが移動させられると、車両は向こう側へと進んでいく。
「おっ! 早速、ゾンビが出たねっ! 喰らえっ!」
「ギャッ!?」
「おい、おい、荒っぽい運転はしないでくれよっ?」
「グオオオオッ! グアッ!」
カーニャが運転する装甲トラックの前に現れた、ゾンビは跳ねられてしまう。
テアンが注意する中、ウォーリアーが走ってきたが、やはり引き殺されてしまう。
「ああ? でも、ここから暫くは、耐えて貰うよっ! だって、止まったら、ゾンビに襲われちまうからねっ!」
「うぅぅ? 小柄な俺の体は、揺れに耐えられないっ!」
「小柄じゃなくても、揺れはキツイぞっ! これじゃ戦いの時に、俺のウニ鉄球を振り回せない…………」
言い訳しながら、カーニャは女トラック野郎として、猛スピードで、装甲トラックを走らせ続ける。
この振動で、マルルンは気持ち悪くなり、スバスも苦しそうな表情を見せる。
「ウニ鉄球?」
「あ、ウニ見たいな感じがするだろ? サイード爺さんに改造して、釘を溶接して貰ってからな? みんなの武器も、強化した時に名前が付けられたから、俺のも自分で名付けたんだよ」
ショーンは、疑問に思った事を呟くと、スバスは命名した理由を語りだす。
「なるほどな? しかし、まだまだ、この揺れは続きそうだ…………うぅ」
「だねぇ~~? だけど、これを耐えられなきゃ、船上警備は務まらないよっ!」
ショーンは、朝食べた料理が、腹の中で揺れて、口から出そうになるが何とか耐えた。
対する、フリンカは平然とした態度で、座席に座りながら眼を