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第44話 家族愛はゲームの世界を救えるのか? (3)

「……ん? あっ、戻った……」


 僕の傍にいる何太后さまの口から拍子の抜けたような声が漏れた。


 と言うことは?


 何進姉さんに譲渡していた討伐パーティーのリーダー権限が何太后さまへと戻ったと僕は悟ることができたから。


「……では何太后陛下さま。みなへの御指示と鼓舞……。そう勝利の舞いのスキルの発動をおねがいします」


 僕は軍師らしく彼女へと嘆願をした。


「うむ、わかった、李儒理樹……」


 何太后さまは僕の嘆願を了承すれば埴輪仕様の木馬の馬鞍の上に立たれて──。


『シャラ、ラン、シャラ、ララ~♪』


 と魔法少女変身──!


 ボン・キュ・ボン! と天女さま! 舞姫さまへと変身すれば。先ほどまで何太后さまが指揮していた埴輪仕様のおもちゃの兵隊達もにゃん化して太古の優雅で可愛い……。


 そうまるでお雛さまの七段飾りの楽器・演奏部隊のような容姿で各自各々が琴や横笛、縦笛……。太鼓に鈴、鐘に三味線等を弾き、吹き、叩いて、中華の何とも言い難い幻想的な音楽を奏で歌い始めるから。


 天女! 女神化した何太后さまは! 音楽と歌に合わせ、自分の愛馬の上で舞う……。


 そう僕の妖艶で麗しい何太后さま奥さまが鼓舞──。パーティーメンバー達へと魔力強化、防御力強化、攻撃力強化のエンチャット! バフをかけながら。


「みなのもの~~~! これから我が官軍は~~~! 敵である化け物化した李儒をみなの一斉攻撃にて駆除する~~~! だからみな~~~、将軍達は~~~! 朕のために~~~、個々奮闘~~~。朕に勝利をもたらすのじゃ~~~、わかったなぁ~~~、各将軍達~~~!」


 僕の神々しい美の女神さまは、まるで漢の高祖──。劉邦さまのように凛々しく振る舞いながら。


 僕を含めたこの場にいる将軍達へと下知をだされた。


 僕はそんな神々しい奥さまの様子や舞いを見れば。僕のやる気十分! 今度こそ前世の僕と何太后さまを賭け、過去の因縁を断ち切り、勝利をこの手に掴み! この世界を救うのだ! と、僕は強く決意をするのだった。



 ◇◇◇



(済)

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