背中に黒い羽を背負う
その風貌――まるで巫女のような装束に胸当てと鎧を身につけ、何本もの刀をその腰に帯びていた。
その顔も確かに
「『動乱の魔法少女』――
両手で刀を抜き、それを天上に掲げる。
「幕末の京都で多くの維新志士の血を吸い上げた名刀の数々、この切れ味にまさるものはなし!」
そう言いながら、目の前の机を一閃する。瞬時に粉と化し、原子に還元される。
「ここではちと、狭うございますね。『外』に――参りましょう」
その言葉が終わらないうちに、
頷く
「ちょっと、待っててくれるね」
そう言いながら、
静かにうなずくすざく。検事やさかも同じようにうなずいた。
下に見える女学校。まわりは鬱蒼とした森に囲まれていた。
腕を組み、空中でその様子を眺める
それを校舎の屋上から見上げる
意を決したように二人は目を閉じる。
琴の調べのように、心地よいメロディを唱える二人。ゆっくりと青と黄色の光が二人を包み、そして激しく回転する。
その光の渦がゆっくりと、解けていく。
その中に現れるのは――
「『安寧の魔法少女』、
「同じく、眞鏡やさか見参」
そう言い終わると抜刀し、宙に舞う。
それを下に見る
それは瞬間の出来事であった。
三人が空中で激突し、刀のぶつかり合う音と光がこだまする。
それを屋上から見守るすざく。それを守るように伊集中佐と副官の姿があった。
「......
懇願するようなすざくのつぶやき。その時、
《安心して》
という声を。
「軽い、かるすぎる太刀筋よ!」
刀を交えながら
「わが刀はあの幕末に人斬りに勤しんだ攘夷の志士たちの『
大振りして、二人を退ける
さすがの二人も距離をとり、構え直す。
それを見ていた
魔法術『誦祭記』の能力――それこそがこの、魔法少女の魔法の中で最も強力なものであった――