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第22話:商会の救世主

 給仕さんがデザートを持ってきてくださった。


 皆それぞれ違う物であった。



 私の目の前にはエッシャレオンで作ったと思われるパフェがあった。


 『セリア』の目の前には大きなマグカップに満たされた、ホットカウフィー。


 『ウィーゼル』の目の前には先程出て来た香草詰めをボイルしたものが山盛に。


 『ゲルハート』の目の前には最後に出て来たペルトナ産の鶏肉串焼きが山盛であったのである。


「こう言うのもありですね」と私は笑顔でいった。


 デザートを食べ終えて部屋に戻ると、洗濯大袋がランドリーから戻って来ていた。


 部屋の内側に入れてあったのである。



 一旦戦略会議と称して、男性陣の部屋に行き、そこで先程の手紙を皆に公開し、手紙は私が持っておくむねを『ウィーゼル』に伝えたのである。


 三日目は特に何事もなく、普通で平穏な時間が流れていった。


 四日目も特に何事もなく、普通で平穏な時間が流れていった。


 キシリに着くまでに旅装に着替え全ての荷物を整えて入れたのであった。


 下船準備万端であった。


 そして夕闇の中、キシリに着岸したのである。


 キシリにもサライと同様に白壁青い屋根の宿屋があった。


 そして宿で私を先頭にして入ると、真っ直ぐフロントに向かい、フロントで例の手紙を見せた。


 すると、ロイヤルスイートツインダブルに皆案内されたのである。


「セッティングは万全です。何なりとお申し付けくださいませ」といわれたのであった。


 キシリではほぼ寝るだけのはずだったが、そのおかげでお風呂に入る余裕が、生まれたのであった。


 なのでありがたく、時間を頂戴ちょうだいしたのである。


 チェックアウトは十一時と教わっていたので問題なくゆっくり朝食が取れた。


 そしてなんと、四頭立てで高速セッティングの効く白い馬車で、オシュル商会の金紋が優美に扉に前に後ろに付いている、専用車両が用意されたのである。


 御者さん付きで、御者さんは専用室が付いており夜通し走ろうと思えば走れる体制で四人も付けていただけたのであった。


 私たちも向かい合って座るタイプの貴族御用達の種類であった。


 もはやこれは……と思ったが、やはりその馬車の扉を支店長みずから開いてくださったのである。


 私たちの身なりは傭兵のようだが、私は貴族の礼儀作法を持って支店長に礼を言った。


「礼などとんでもない、貴方がたは我々オシュル商会の救世主様なのですから」と返されたのであった。


 途中ラームリッツァの方角へ向かう軍隊と遭遇したが、オシュル商会で特別な方を乗せる金紋が入った馬車であったためか、何事もいわれずに通り過ぎることができたのである。


 そこから先は軍隊だらけだった。


 皆一様に武装し、ラームリッツァ目指し行軍していたのであった。


 中には義勇兵のような、装備がバラバラな集団も入っており、冒険者や傭兵と思われる者たちも入っていたのであった。


 だが私たちは、一路東サラトに向かって走り続けられたのであった。


 そしておおよそ、一日ほどの工程を走り夕闇に包まれていくサラトに到着し、大門で御者さんが、オシュル商会の特命印の入った書状を見せて街の中に進入することができたのであった。


 そこにもオシュル商会の白壁、青い屋根の宿屋があった。


 宿では私を先頭にして入り、真っ直ぐフロントに向かい、フロントで例の手紙を見せた。


 するとまた、ロイヤルスイートツインダブルに皆案内されたのである。


「セッティングは万全です。何なりとお申し付けくださいませ」とまたいわれたのであった。


 そして、ルームサービスで夕食を頼むと豪華な夕食を持ってきていただき、皆でゆっくりと味わって食べることができたのであった。


 そしてまた、豪華なお風呂をいただいてキングサイズのベッドで寝たのである。


 また、チェックアウトは十一時と教わったので問題なくゆっくり朝食が取れたのであった。


「今日はリングイングまでです」と御者さんたちがいって旅が始まった。


「風景が少しずつ変わりますので車窓の景色もお楽しみください」といわれたのであった。


 じっくりと車窓を眺めているとのどかな麦畑から、牧草地に変わり放牧を行っている様子がジックリとではないが眺められた。


 また、牧草地から高原に変わり高度が上がって行く様子も車窓から楽しめたのであった。


 そして、お昼は走る車内で手渡されていた豪華な弁当を食べていたのである。


 そしてお昼を過ぎると夕闇が迫って来ていた。


 魔導式の灯火を付けて夕闇の中を走るのもオツなものであった。


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