目次
ブックマーク
応援する
3
コメント
シェア
通報

第73話 証拠 ※美嗣の回想

悪夢から覚めてから、

私の心臓は今でもドキドキしている。

夢の内容が、頭から離れない。

(あれは、きっと、現実だ……)

私は、そう思った。

両親は、きっと、紬お姉ちゃんと、親戚夫婦を殺したんだ。

そして、山奥の廃村に、埋めたんだ。

私は、おじさんに車で廃村近くまで送ってもらった。



必ず、両親に償いをさせてみせる。

私はそう心に誓った。

けれど、どうすればいいのだろうか?

両親は、狂気に染まっていた。

もはや、人間の心を持ち合わせていないのかもしれない。

そんな両親に、私は、どう立ち向かえばいいのだろう……。


私は、悩み、そして、一つの結論にたどり着いた。


まずは、証拠を見つける。

両親が、紬お姉ちゃんと、親戚夫婦を殺したという証拠を。

そして、警察に届け出る。

そうすれば、両親は、逮捕される。


私は、そう考えた。

そして、行動を開始した。

まずは、この廃村に警察を呼び、その後パトカーで親戚夫婦の家に送ってもらった。

家の中は、綺麗に片付けられていた。

けれど、鉄の匂いがした。

私は、匂いの元を探した。

そして、検死官は血痕を見つけた。

それは、親戚夫婦の寝室にあった。

私は、警察官に、全てを話した。

親戚夫婦が殺されたこと、そして、両親が犯人である可能性が高いことを。

警察官は、私の話を聞き終えると、言った。

「わかりました。捜査を開始します」

警察官の言葉に、私は、少しだけ安心した。

しかし、まだ、油断はできない。

両親は、きっと、何かを企んでいる。

警察が帰った後、私はおじさんに連絡して、また泊めてもらおうと電話をかけようとした。

けれど、その時、背後から、強い力で取り押さえられた。

息が詰まる。


※美嗣の回想は続きます。



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?