悪夢から覚めてから、
私の心臓は今でもドキドキしている。
夢の内容が、頭から離れない。
(あれは、きっと、現実だ……)
私は、そう思った。
両親は、きっと、紬お姉ちゃんと、親戚夫婦を殺したんだ。
そして、山奥の廃村に、埋めたんだ。
私は、おじさんに車で廃村近くまで送ってもらった。
必ず、両親に償いをさせてみせる。
私はそう心に誓った。
けれど、どうすればいいのだろうか?
両親は、狂気に染まっていた。
もはや、人間の心を持ち合わせていないのかもしれない。
そんな両親に、私は、どう立ち向かえばいいのだろう……。
私は、悩み、そして、一つの結論にたどり着いた。
まずは、証拠を見つける。
両親が、紬お姉ちゃんと、親戚夫婦を殺したという証拠を。
そして、警察に届け出る。
そうすれば、両親は、逮捕される。
私は、そう考えた。
そして、行動を開始した。
まずは、この廃村に警察を呼び、その後パトカーで親戚夫婦の家に送ってもらった。
家の中は、綺麗に片付けられていた。
けれど、鉄の匂いがした。
私は、匂いの元を探した。
そして、検死官は血痕を見つけた。
それは、親戚夫婦の寝室にあった。
私は、警察官に、全てを話した。
親戚夫婦が殺されたこと、そして、両親が犯人である可能性が高いことを。
警察官は、私の話を聞き終えると、言った。
「わかりました。捜査を開始します」
警察官の言葉に、私は、少しだけ安心した。
しかし、まだ、油断はできない。
両親は、きっと、何かを企んでいる。
警察が帰った後、私はおじさんに連絡して、また泊めてもらおうと電話をかけようとした。
けれど、その時、背後から、強い力で取り押さえられた。
息が詰まる。
※美嗣の回想は続きます。