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第109話 女神の裁き①

【確定ドロップアンケート。

 1.失われし黄金の蜜月(39.1%)

 2.女神の天秤(60.9%)】


 女神の天秤が選択されました。】


:ああああ、惜しい!

:50:50はそう簡単にはいかんか

:1も気になったのになあ

:1は固有結界みたいなもん。発動したエリアで害意を持って傷つけようとしてきた相手は、発動者の攻撃による被ダメージが2倍。悪意がない場合、回復なんかの効果も2倍。悪意を持たない人間のステータスそのものも上がる。発動者のレベルに応じて領域も広がる。

:悪意を持たずに攻撃したら、相乗効果で悪意を持っている相手にダメージを与えられるってことか

:魔物で悪意を持つって難しいから、対人間用って感じだな。


「皆さん結構失われし黄金の蜜月も気になったんですね?そのうち取りに行ったほうがいいでしょうか。」

 そうつぶやきつつも、美織は無事女神の天秤を手に入れ、帰宅の途についた。


「──はい、沙保里ちゃん、約束の女神の天秤です。差し上げると贈与税なんかも大変なので、1回限りのレンタルとして、発動出来るようにMPもこめておきましたからね?」


「はい!ありがとうございます!」

 沙保里は嬉しそうに笑って、女神の天秤を美織から受け取った。


 数日後、沙保里は近くの公園にいた。学校にはひと目につかない裏庭などがなく、ちょうどいいのがこの公園なので、加害者たちはよくそこに掛川梨乃を呼び出していた。


「持ってこれないじゃねーよ。お前の姉ちゃん稼いでんだろ?それをちょっと借りて来いっつってんの。」


「無理だよ……。お姉ちゃん、一緒に住んでないし、そもそも忙しくて、普段からあんまり顔を合わせることも少ないのに……。」

「じゃあ親の財布から盗んで来いよ!!」


 数名の少女たちが、公園の地面に土下座させていた掛川梨乃をの顔面を蹴り上げた。

 ホームレスのような男性が近くのベンチにいたが、そそくさと逃げて行った。


「いらい……!いらいよ……!」

「ギャハハハハ!いらい〜だって!」

「うるせえっつの。金もって来いって言ったのに、やらねえお前が悪いんだろ。」


「こっちには写真があるってことわかってないんじゃない?とりあえず、こいつのクラスの男子にばらまこっか。」


「いいね。こいつのこと気に入ってる男もいるみたいだし、喜ぶんじゃね?」

「ほら、この送信ボタン押したら、みんながあんたの裸を見ることになるよ?」


 少女たちは掛川梨乃に、スマホの画面を押し付けるようにして見せた。

「──やめなさいよ。」

「あ?」


 女神の天秤を手にした沙保里が、物陰から姿を現した。

「誰?こいつ。」

「こいつと仲良くしてる女だよ、確か。」


「やめないなら、あんたら地獄見るよ。」

「は〜?見してみればあ?」

「うちの親誰だかわかってんの?」


「あんたらこそ、人の手が及ばないアイテムを手に入れられる、探索者って存在をナメすぎだから。その送信ボタンを押した時、私もこれを発動させる。」


「……ウッザ。」

 少女はトークアプリの送信ボタンを押した。

「はーい、押しましたー。お前のせいでーす。もう取り消せませーん。」


「やめて……!やめてよ……!」

「うっせ!バーカ。」

 足にしがみつく掛川梨乃を蹴りで引き剥がす少女たち。


「──審判対象、制作者まで。女神の天秤、発動。」

 沙保里の持つ女神の天秤が、勝手にググッと動き出し、大きく片方に傾いた。


 少女のトークアプリが、返信を知らせる通知を大量に知らせる。

「あはは、もうこんなに返信が来て……ええっ!待って!?なんで写真がうちらになってんの!?」


「お前何言ってんの?」

「見してみ?」


 震える少女の手からスマホを奪い、画面を覗き込むと、掛川梨乃の代わりに、自分たちの裸の写真が何枚も、男子生徒だけを入れて作ったトークグループに貼られていた。


「は?待って、どういうこと?」

「ねえ取り消してよ……。」

「やってる……!でも、削除出来ない……!なんで?なんでよ!!」


「それが罪だと認められたからでしょ。」

 沙保里は掛川梨乃に歩み寄ると、その腕を引いて助け起こした。


「これ以上なんかしてきたら、こんなもんじゃすまないよ?」

 混乱する少女たちを残して、沙保里は掛川梨乃と共に公園を出ていった。沙保里の手には、録画ボタンを停止したスマホが握られていた。


 後日、学校の帰り道、沙保里は少女たちに待ち伏せされた。あれから自分で裸の写真を拡散した変態として、男子生徒を中心に噂がまわり、今度は自分たちがいじめられるようになって、学校にも来なくなっていた。


「ねえ!あれ何とかしてよ!」

「あんたがやったことでしょ!?」

「あんたならどうにか出来るんでしょ!?」


「既に発動した女神の天秤は止められない。あれがあんたらの正当な罰だから。自分のしたことを噛みしめればいいよ。」


 沙保里はそういい捨てて、探索者の身体能力で少女たちを振り切った。

 すると今度は、彼女たちの親が学校に乗り込んできた。


────────────────────


すみません、またご飯食べたら寝てしまった……。

書きたてホヤホヤ。明日に続きます。


新しく有料で新作書き下ろすお仕事の依頼いただいたきました。

あちらのリクエストに沿ったテーマの内容を出すことになるんですが、特にリクエストなかったら、明るいエロ作品書きたいとこだったんですが、悪役物になりそうです。


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