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第64話◇椅子になってもエッチはできる◇

「こんにちわー」

「あ、こんにちは桜結美さゆみちゃん。さっそくだけど交代してもらっていいかな」

「はい、分かりました」


 しばらく初音はつねのお尻の感触を目一杯楽しんでいると、目的の桜結美さゆみが姿を現した。


 つり目黒髪の猫っぽい桜結美さゆみのケモミミは、予想した通り黒猫のように尖った耳とクルンと巻いた尻尾が特徴だ。


 やはり猫が恐ろしいほど良く似合うな。


 初音はつねを見た瞬間に耳がピコピコと動き出し、せわしなく尻尾が揺らめいている。


 猫って警戒してるときとかに尻尾が動くイメージだけど、あれはむしろ甘える時にポフポフ動く時の反応に似てる。


 初音はつねはごく自然に俺の上に誘導し、隆起した股間部分をサラッと撫でていった。


 あれは絶対分かってやったな初音はつねの奴。本当に凄い女だ。


 桜結美さゆみのお尻を堪能するのはいいが、椅子である今において鼻と股間を隆起する以外の事ができていない。


 なんともエロい事をするにしてはちょっと物足りない感じだ。


 まあいい。妖精さんの仕業だから色々とやるうちにできる事は増えていくはずだ。


 どうやって桜結美さゆみに色々してやろうか思索していると、椅子に近づいてきた桜結美さゆみは何故か座ろうとしなかった。


 そしてキョロキョロと当たりを見回し、人と初音はつねが近くに居ないことを確認すると……。


「くんくんっ……くんくんくんっ……。こ、これはっ、はうぅう」


 ズザザッという効果音が鳴りそうな勢いで膝を付き……。


「すぅ~、はぁ~……先輩の、匂い……初音はつね先輩の、お尻が当たってた、場所……はあはあ」


 なんと俺の股間に向かって……正確には初音はつねの座っていた位置に向かって顔を近づけてきた。


 クンカクンカと鼻を鳴らして初音はつねの残り香を堪能しているではないか。


「先輩は……まだ奥で仕事してるよね? 大丈夫だよね?」


 これはアレか? 桜結美さゆみの願望なのかな? しかしこんなことをする奴だったのか……。なんで匂い?


 あ、そうか。ケモミミ生やして鼻が獣並みに敏感になっているんだな。


 妖精さんの力で獣の本能が強くなってるっぽいな。動物って互いの匂いを嗅いで相性を確かめたりするっていうし。


 だが女の子の残り香を嗅いで興奮するなんて、とんだ変態もいたもんだ。


 ん? お前には負ける? 何のことかわからんな。


 ちなみに桜結美さゆみがキョロキョロし始めた頃から図書室から人が居なくなっていた。


 間違いなく妖精さんの仕業だ。


 よーし、それなら催淫を使ってエッチな気分にさせてしまおう。


 今まですっかり忘れていたが、椅子になってもスキルはちゃんと使えるようだ。


 催淫と警戒心解除、認識改変を発動。椅子に対してもエッチな事をしてもいいという認識を植え付ける。


「はぁ、んん、すぅ、すんっすんっ……。先輩の香りがする。あれ? なんか霧島先輩の香りも混じってる? ちょっとくらい口を付けたって、いいよね?」


 おおう、このままだと椅子に向かってファーストキスをすることになるぞ。


 しかも今鼻をくっ付けているのは股間だ。

 初音はつねのお尻の残り香を嗅いでいるつもりが、いつの間にか俺の股間を嗅いでいる。


 中々にシュールだが、特殊な状況に興奮しているのは確かだ。


 よーし、なんとかして口やら股間やらを隆起させて特殊な状況を楽しむとしようじゃないか。


(ふんっ)


「ひゃっ……っ。こ、これって、椅子がモッコリしてる……お口の、形?」


 認識改変を発動。椅子に唇が生えていても不自然に感じない。


「はぁ、はぁ、先輩♡ んちゅぅ」


 釣れた。


 唇の柔らかい感触が密着し、桜結美さゆみはキスをし始めた……椅子に。


 外から見ると椅子に唇が生えてモッコリしている中々にホラーな見た目をしているのだろう。


「ふはぁ♡ ハスハスッ……先輩っ♡ 先輩♡」


 そして猫耳美少女が息を乱しながらホラーな椅子にキスをしている。


 シュール過ぎるが考えないでおこう。


「はふぅ、先輩……」


 桜結美さゆみは夢中になって俺とキスをする。彼女の中では初音はつねとキスをしているのだろうか。


 桜結美さゆみちゃんってば、まさかの百合属性? 意外すぎる性癖に驚きを隠せない。


 いや、意外でもないか。ゲーム内の桜結美さゆみの態度を延長していくと、憧れ以上の感情を抱いていても不思議じゃない。


 だが問題無い。いずれ初音はつねを交えて3Pもするだろうから、その認識は持ってていい。


「はぁ、本物の唇みたいに柔らかい……♡」


 催淫を更に強めてみよう。舌先からエッチな汁が出るようにもしちゃうぜ。精液ほどではないが、依存体質になる効果も付与されている。


「ふぅ、んんっ♡ 先輩、初音はつね先輩」


 唇を押し付けながら少しずつ体をモジモジし始める桜結美さゆみ


 パスの繋がった桜結美さゆみの性的な興奮が強くなっているのが分かる。


「なんだろう、初音はつね先輩の香りを嗅いでいたのに、男の人の匂いになってきてる」


 そろそろ分身さんを隆起させて次の段階に移行しよう。


「はわっ♡ こ、これって……男の人の、性器……?」


 そんなものが椅子から生えてくる事に変だとは思わないのが妖精さんパワーだ。


「はぁ……すごい……初音はつね先輩の残り香に交じって、濃厚な生臭さが鼻の奥に入ってくる……。これが、男の人のにおい……霧島先輩? 霧島先輩だったら、いいな……」


 椅子から生えた分身に血液がドクドクと流れ込んでいく。

 この木と鉄のパイプの塊にどうやって血液が流れているのか不明だが、股間の感触は確かに凄まじい勢いでバキバキになっている。


「はわっ、はわわっ! こ、これ……凄く大きい……エッチな同人誌で見たのより、もっと大きいなんて……本物みたい……ひゃっ、ビクンってした……本物の男の人の……はぁ、はぁ」


 唇は引っ込み、代わりに生えてきたモノをツンツンとつついて感触を確かめ始める。

 そしてそのまま口を開いて……。


「すみませーん」

「ひゃいっ!」


 と思っていたところで邪魔が入った。

(ぐほっ⁉)

 数秒のラグがあって、股間に重苦しい鈍痛が走る。

 慌てて立ち上がった桜結美さゆみが重力のままにお尻を垂直落下させ、モノが少女の尻肉プレスを喰らってしまった。


◇◇◇


【side桜結美さゆみ


 ビックリしたぁ……。初音はつね先輩の残り香を嗅ぎ取りながら、椅子から生えたアレをイジっていたら後ろから急に声を掛けられた。


 思わず隠すようにアレの上に思い切り座ってしまった。

 痛くなかっただろうか?


 だから、わざわざ隠すようなことじゃないんだけど……。


 なんとなく椅子に突っ伏して匂いを嗅いでいるところを見られるのは恥ずかしい。


 お尻の下に敷いたモノがビクンビクンと震えている。

 いくら椅子に生えていたとはいえ、人間一人の体重をかけられるのは痛いだろう。


 んだから。


「ひゃんっ」

「どうしました?」

「い、いえ、なんでも。貸し出しですね。こちらのカードを……」


 とりあえずお尻の位置を直そうとするけど、あまりにも大きすぎてお尻の隙間に収まり切らない。


 仕方ないので一度腰を浮かし、竿になってる部分を掴んで股の間に挟むしかなかった。


 ビクンッ


「ふやん♡」

「え?」

「あ、いや、なんでもない、なんでもないんですよ」


(ふにぃいい♡ お肉の感触が太ももにダイレクトにぃいっ。本物触ったことないのに、椅子から生えてるアレを股に挟んじゃったよぉおおっ)


 お股に挟んだ……がビクビクと痙攣している。


 太ももに挟んだアレは何かを訴えるように暴れ周り、押さえ込もうと太ももで強く挟み込んでも大人しくなってくれなかった。


(ちょ、ちょっとっ、暴れないでくださいっ! パンツに擦れて、変な気持ちに……)


 スカートで覆い隠していても、あまりの大きさにハミ出してしまって隠し切れていない。


 布地をこんもりと押し上げて、まるで私のおまたから男性器が生えているような格好になってしまっている。


 あまりにも大きいから太ももからはみ出してしまう。


「それじゃあお借りします」

「あ、はい。返却は1週間後です」


 バレないように椅子を引き、スカートでかくして片手で押さえ込もうとするも、大きすぎてますます隆起してしまい、私の股間に食い込んで押し込もうとしてくる。


 ようやく人が居なくなって事なきを得るが、危なく椅子の肉棒を股に挟んだ変態女認定を受けるところだった。


 いくら当たり前だからだといって、大っぴらに見せたくなるものじゃないし……。


「さーゆちゃん♪」

「ひぁああああああああっ⁉」


 ドクンッ!!


「ふわぁ、ぁ、はわわわわっ♡ な、なにかが、ドクドクッてぇ♡」


 ビックリして思い切り握り絞めてしまい、その瞬間に何かが爆ぜた。


 私のスカートがジワッと濡れた部分が広がり、辺りに濃いにおいが立ち上って鼻の奥に入り込んでいった。


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