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体育祭にて 5

 午前の部が終わり、生徒たちは各々昼休憩に入る。


 生徒たちがお弁当を教室へ取りに戻った後、校舎内は午後からの競技の準備があるため中に入れず、その代わりに体育館を開放している。


 昼食はその体育館か食堂、あとは外で食べるのということになっている。


「どこで食べようかしら」

「日陰でいいんじゃないんですか、日陰で」


 まだ五月とはいえ、長時間直射日光に晒されると汗をかいてしまう。涼音すずねは手で日差しを遮りながら言う。


「それなら体育館ね」


 体育館の中にはテーブルと椅子が置かれており、落ち着いて食べることができる。


「理由を聞いても?」

「体育館でご飯食べることができる機会なんて……体育祭の時ぐらいだからよ‼」


 やはりテンション高めの涼香りょうかに若干引き気味の涼音であった。


「なんでちょっと溜めたんですか」

「この高揚感、どうすればいいのかしら」

「知りませんよ」

「体育館へ行くわよ!」

「えぇ……」


 そんなこんなで体育館で昼食を摂る二人だった。

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