午後の部最初の競技、二年生学年競技の宝探しが始まる。
ちなみに、この競技が始まる少し前、トイレに行くと言って、涼香りょうかは校舎の中に入っていった。
「絶対先輩いるじゃん……」
昇降口に待機している涼音すずねがため息と共に言葉を漏らす。
先生からの注意事項が終わると、いよいよスタート――の瞬間、その爆弾は落とされた。
「水原みずはらも校舎内のどこかにいるからなー」
(めんどくさっ)
そんなことを思ったのは涼音だけだった。
他の生徒達は我先にと、涼香を探しに校舎内へ駆け込む。
「怪我だけはするなよー!」
先生が声を張るが、涼音以外には届いていなかった。
そして少し遅れて、涼音も校舎内に入って行くのだった。