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第33話 てんぽぽ様

ネット怪談、

洒落怖に登場する怪異。


てんぽぽさまは飢饉を引き起こす

山の神に捧げられた生贄の少年達の無念と

山の邪気が溶けあい生じたモノノケだといわれており、


標高200メートルと低いが周囲を注連縄で囲まれた、

とある奇怪な山に潜むという。


麓の村ではてんぽぽさまを鎮めるため、

数十年に一度、奇妙な祭りが執り行われる。


その詳細は、

地元の十代の少年たちに塩や肉食を断たせ、

白装束を着せて山頂のやしろに籠らせた上で

太鼓の音に合わせて麓までいっきに駈け降ろさせる

というもの。


子供には体力的に過酷な役目だが

不参加は認められない。


山を駆け降りる際、

少年達の中に見知らぬ顔が混じることがあるが、

それこそがてんぽぽさまだという。


万が一、てんぽぽさまに話しかけられる

ようなことがあれば、その子は生命を奪われるか、

どこかに連れ去られてしまうという。

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