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第121話 異世界召喚の話

男は、夢の中で見知らぬ老人と賭け事をしていた。


見知らぬ老人は、白く長い髭を蓄え、

笑みを持ち、しわがれた声で男に話した。


「ここにサイコロが有る。一回だけチャンスをやろう。」と


男は、夢だと思いながら、承諾する。


老人は、なをも語る

「1ならお前の勝ちじゃ。望みを叶えよう。

2~6ならワシの勝ちじゃ。」と


どうせ夢とたかがくくった男は、尚も応諾した。

老人は、ニヤリと口の端を歪ませながら、

手に持つサイコロをふる。


サイコロは転がり、5の目を出して止まる。


老人は、「ワシの勝ちじゃ。」と声を上げる。


男は、夢と思いながらも悔しそうな顔をした。

だが、所詮は夢の出来事と割り切り顔。


そして、男の目が開いた時に全てを知った。


石畳の上に寝転がる男を囲む様に屈強な騎士が立ち塞がる。


一瞬でラノベ小説が浮かんだ。

「あぁ、これが異世界召喚なのかと。」


頭の中では、しわがれた声が響く。

「悪かったのう。騙す積もりは無いのだが、

近頃の若者は召喚を嫌がってのう・・・。

お詫びにサイコロの出た目の数だけ、

何時もより多めにスキルを与えてあるから。

勘弁してくれ。」


ひとつの異世界召喚が有った。



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