「おお!素晴らしい。あなたに授けられたスキルは、大魔導師。
これは、直ぐにでも王都に連絡を入れねばなりませんね。大変に名誉の事となります。おめでとうございます。」
「おや?あなたは剣豪ですか。素晴らしい。
早速、王国に連絡を・・・えぇ?あなたは賢者ですか?そしてあなたは、大神官と魔導士の2つスキルですか?・・・あなたは3つのスキルが?
いったいドウナッテいるのですか?」
ここは、王国辺境の農村。
この年の12歳なった若者全てに女神様より必ず1つのスキルが与えられる。
彼らは、近くの教会で神父からスキルを鑑定される事を義務として課せられている。
高いスキル保持者は、王国より保護され、高い教育と未来が約束される。
勿論、地域にとっても高スキル排出としての名誉の事でも有る。
ここ暫くは、王国としても高スキル保持者は出ておらず、久々の高スキル保持者に沸き返っている。ましてや、それが複数人の保持者なをかつ複数スキル保持となると前代未聞の出来事となっている。
一部では、高スキル保持者の大量発生は、いにしえの魔王復活の兆候であり、女神様からの警告だと囁く声が日増しに王国中な広まっていく。
一方神界では、装置を頻りに叩いている女神様が・・・。
天使は直ぐに駆け寄り、問いただした。
「女神様。どうか成されましたか。頻りにスキルボックスを叩いておりますが?」
女神様は、
「何か、調子が悪いみたいなの。スキル玉が詰まったらしくて、急に出てこなくなったの。壊れたのかしら。」と涙目で訴える。
「女神様。落ち着いて下さい。これは繊細な装置なので頻りに叩かないで下さい。」
天使は慌てて、女神様に訴えるが、バシバシと女神様は叩き、バシッと強めの叩きが決まった。
スキルボツクスは、突如動き出して、スキル玉を吐き出して行く。
「あ~ぁ!スキル玉が次々と人間界に飛んでいく。」飛んでいくスキル玉を茫然と見送る天使。
女神様は、詰まりの取れた事で、スッキリとした満足顔で微笑んでいる。
ある異世界での出来事です。