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第53話 尋問という名の拷問~~そして宴会に~~


「ゴッ・・・ゴボォッ! うぐっ!?」


 賢者らしき人物が血を吐きながら苦しみ、テントにもたれ掛かっていた。

 彼の脇腹からは、血が流れ出て止まらない。



「おいっ! お前情報を教えろ」


 瀕死状態の賢者を前にして、ジョージはそう言った



「誰、が・・・貴様ら、にっ!」


 苦しいのか、途切れ途切れに喋る賢者。



「では、こうしましょう?」


 シャリルはメイスの柄を力強く握り。

 それを賢者へ向け、思いきり振り下ろして両足を叩き潰す。



「があーーだっ! 誰が言うもんかぁ~~~~!! ゴボッ、フッ・・・フレイムボーヴッ・・・ヴァブォッ!?」


 賢者は、自らの胸の心臓部に手を当てて火球を出し、そうして彼は自決し事切れた。



「どうします、これから」


「まあ食ったら、皆で寝ようか」


 アレリオはそう問うが、ジョージは短く答えた。



「俺とミリカは左のテント・・・アレリオとシャリルは右のテントへ」


 テントの割当てをジョージが決めた。



「さあーーて、戦ったら何だか、また腹が減ったな、肉でも食いますか?」


 ジョージは人肉をミリカに魔法で焼いて貰い、三人で食べる。

 吸血鬼である彼女一人だけは人間の死体から血を吸う。



「ゴクッゴクッゴクッ・・・ぷはぁっ♥」


 ミリカは踊り子の死体から血を勢いよく飲み干し。

 唇を離して血と涎の混ざった糸を垂らす。

 相変わらずエロいなと思うジョージ。



「ジョージ様、ミリカ様、シャル、奥からこんなものを発見したんですけど・・・」


 アレリオが奥の木箱の山から酒を見つけたらしい。

 彼は、様々な種類の洋酒を手にか抱えた木箱に載せて歩いて来る。


 ウィスキー、ビール、ワイン、ウォッカ、リキュール、ジン、ブランデー、ラム。


 多彩な酒をアレリオは持ってきた。



(・・・ゾンビになる前は酒を飲んだことはなかったが? 今はゾンビ・・・それも進化してレベルアップした今はレベル2のハイゾンビだ・・・体も大人ぽくなったし、酒を飲む事が出来るのだろうか・・・)


「うぅん、飲めるかなぁ~~飲んでいいのかなあ、飲める年齢じゃあないしなぁ~~~~でも今はハイゾンビだしな、どうスッかなあ~~」


 ジョージは悩むが、彼の進化した肉体は大人だ。

 故に、酒を飲む事は出きる。



「ジョージ様、どうぞ御酌を」


 シャリルが、ブランデーとグラスをトレーに載せてジョージに差し出した。



「あっいや、俺は酒飲めなっ? むっ! んっ~~むぅ~~ん~~~~んん~~~~」


 ジョージは、いきなり口を塞がれた。



「~~~~んっんん~~はむっ! んむ~~~~ぷっはあ~~? シャリルちゃあん、ジョォージはねっ? こうすれば、お酒を飲んでくれるよぉっ♥」


「ミリカッ! お前っもう飲んで酔っ払ったのかっ!?」


 酒に酔って顔を真っ赤に染めたミリカ。

 ジョージは彼女の顔を見て驚く。



「別にぃいーーいーーい、じゃないのォよおーー? 私達はアンデッド何だよぉ~~~~だあぁか~~らぁ? 別に飲んだってぇ? 別にどうって事ないわよ~~」


「いや、どうって事あるだろ? まず第一に俺は日本人? だった様な・・・日本人は確か酒に弱かったはずだ!?」


 ミリカは酔っ払った顔で話し、ジョージは困惑する。



「そんな事は~~関係ないわよーー!! さあさぁ飲み干しましょうねえ~~!! ジョージのお口にぃは私のお酒を~~?」


「んぐっ! ~~~~~~~~かはっ!」


 再び、ミリカに強引に酒を飲まされ、咳き込むジョージ。



(・・・ゾンビが咳き込むとはな? それにしてもこの馬鹿女ミリカは相当飲んで出来上がっているな・・・相手が俺だからいいが・・・悪い奴なら、そのまま寝ている間に抱かれてしまっているぞ・・・)


「ぷふぅっ、ねぇ~~~~ジョォーージィ~~? やっぱ、私の注いだ美味しかかったでしょーー? ねえねえーー? とお~~っても美味しぃーーかったでしょーーーー!!」


 ミリカの貞操を気にするジョージ。

 その当の本人は、すっかり出来上がっていた。



「ミリカ、お前は・・・」


 ジョージは酒グセの悪いミリカの事を呆れた目で見つめる。

 彼は、彼女の事を、お前は尼神インターかっと思った。

 そして、彼も少しずつ頭がボ~~とっしてきた。

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