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B1章 運命と呼ばれた日常

第B−1話 私だって恋したい

弥生やよいside)


 今年の春に高校二年生を迎えたばかりの17歳になる、花咲く乙女な私の名前は、立花弥生たちばなやよい


 160くらいのやせ形に、肩まで伸びた茶色の癖のない髪型。

 少し小鼻でパッチリ二重で、それなりの美少女で肌は白い。


 その風貌ふうぼうゆえに、周囲からモテモテで、この星屑修二ほしくずしゅうじ学園私立高等学校での、満喫した生活を過ごす毎日だった。


 そんな私に気に入った人ができれば、肉食系の私からガツンと告白し、この美貌びぼうゆえに、その場でとOKが出るのだが、後に私と交際をした者はみんな、すぐに逃げ出してしまう。


 交際期間は長くても三日間。

 理由はともかく、とある理由ですぐにフラれてしまうのだ。 


 周りからは遊んでいる風に見えて、実は初めてのキスもまだな私は、今日も三学年の一つ年上の男子とデート? を重ねる。


 だが、今回の出会った彼、蒼井繁あおい しげるは、これまでの相手とは違う一面を持っていたのだった。


 私はどうして、こんな彼に想いを伝えたのだろうか?


 そもそも彼は私の告白にも面倒くさい対応で、曖昧な二つ返事だったはず。


 だけど、そんな異質な彼に、私、弥生は段々と惹かれていく。


 実は自分には、特殊な能力があることをひた隠しにしながら……。


****


 もし、私のこの能力が判明したら、いくら彼でも私を嫌いになってしまうだろう。


 それに向こうが交際経験が一度? もなく、私の見た目が可愛いだけで、寄ってくる相手なんてその程度。

 ただ、私の体に興味があるだけの獣。


 この恋が、いつもよりも長続きするのなら、私のこの体を捧げればよい。


 私の体験談では男やイケメンなんて、自分のルックスを武器に次々と女性に手を出す、そんな軽い人ばかりだ。


 この教室から見える、校庭からの桜の花びらのように、今回の恋もすぐに散ってしまうだろう。


 そう思っていたが、彼は違った。

 彼はどういう理由か、まるで女性自身に興味がなさそうな男子だったのだ。


 彼と行動を一緒にするたびに、信じられない出来事ばかりやってくる。


 はたして、こんな一方通行な交差点のような、二人の恋は上手くいくのだろうか……。


 そう、こんな私だって、ずっと心に響くような素敵な恋をしたい……。

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