雄介が洗い物をして、望が片付ける。
最近、一緒に住むようになってから、気づけばそうなっていた。
ちょうど洗い物を済ませた頃、和也と裕実がお風呂から上がってくる。
「あ、悪ぃ……二人に洗い物やらせちまって……」
「え? あ、ああ、そこは別に構わねぇよ」
望は笑顔で答える。
「ん? あれ? 裕実どうしたんだ?」
望が気づくと、和也の腕の中でぐったりしている裕実の姿があった。
「え? あ、大丈夫だからさ。裕実の奴、お風呂の中で逆上せちまっただけだからさ」
「ソファ貸してくれ」と和也は付け加えると、裕実をソファへと寝かせる。
和也は裕実をソファへ寝かせるとうちわを手にし、扇ぎ始める。
望はコップに水を汲んで和也に渡す。
和也がうちわで扇いでいると、裕実は気付いたようだ。 ゆっくりとだが、瞳を開けてきている。
「か、和也さん……?」
「あ、ああ……大丈夫かぁ?」
和也は裕実に向かって笑顔で答える。
「え? あ、大丈夫ですよ……って、僕は……お風呂に入ってたんじゃあ?」
「んー、とりあえずさぁ、水飲んでからにしないか?」
何があったのか分からないが、和也曰く、裕実は逆上せたということだ。
裕実はひとまず半身をソファへ起こし、和也から渡された水を一気に飲み干す。
「お前はさ、お風呂で逆上せちまっただけなんだけど、他に何か症状とかってないか? 例えば、気持ちが悪いとか?」
和也の言葉に裕実は少し考えてから、
「……はい! 大丈夫ですよっ!」
「そっか……なら、良かった……」
だが、裕実は完全に意識が戻ると体に違和感を感じたようで、
「か、和也さん! な、なんで、このままの状態で僕をここに連れて来たんですかぁ!?」
裕実はその姿を流石に和也以外の前では恥ずかしかったのだろう。顔を真っ赤にしながら和也に抗議する。
「そこは仕方ねぇじゃんかぁ。緊急な事だったんだしな……俺だって、そうなんだからよ」
「別に和也さんはいいじゃないですかぁ!? 僕の方は恥ずかしいんですからねっ!」
「別にここじゃあいいだろ? だって、男しかいねぇんだからさ」
和也は特に怒った様子もなく、平然と裕実とそのことについて言い合っているが、そこへ望が声を挟む。
「裕実の方も治ったみたいだしよ。とりあえず、いいから服を着ろ! 服を! こっちは見たくもないもんを見せられてるんだからよ」
そう言いながら望は和也の顔目掛けてパジャマを投げ渡す。
「痛ってー! ったく、望はやっぱ、相変わらずなんだよな。望って、ホント患者さん以外には優しくねぇの……」
和也は小さな声でブツブツと文句を言いながらも、望から受け取ったパジャマを着ていく。
「和也、何か言ったか?」
「言ってません!」
「ま、いいや。とりあえず、二人は二階にある客間な。場所は分かってんだろ?」
「あ、ああ、裕実の方もまだ復活したばかりだし、先に休ませてもらうわぁ」
「あ、ああ……」