「だからだなぁ? 和也は意地悪なこと言うの好きだろ? だから、和也はきっと裕実に向かって辱めるようなことを言っていたんじゃねぇのか? それで、顔を赤くした裕実はお湯の熱さと体内から来る恥ずかしさの熱で逆上せちまったんだろうな?」
「なーんや……そないなことやったんかいな。やっぱ、短時間でこないなところでやるっていうのは無理なんかな?」
「あのなぁ」
望は再びため息を吐くと、
「お前の頭にはそれしかねぇのか!?」
「しゃーないやんか……この一週間ご無沙汰やねんから、溜まりに溜まってねんからな。せやから、望のこと誘ってるんやけどー?」
雄介は望のくびれ辺りを撫でながら言う。
「今日はダメだ」
「ほらな、そういう風に言うの分かっておったから、言わんでおこうって思うておったのに……」
「分かっているんだったら、言うんじゃねぇよ」
「アイツらが居るからやろ?」
「当たり前じゃねぇか」
「せやから、和也たちには来て欲しくなかったんや。もう、後一週間なんて我慢できへんわぁ。来週一週間、俺、ずっとブルーのままやんか」
「……ったく。たまには俺の気持ちも考えてみろよ。 仕事ですっげぇ疲れてるんだからさ」
「そないなこと言うたら、俺やって、仕事でめっちゃ疲れてんで。せやけど、プライベートの体力と仕事での体力は別もんやし」
「それは気のせいだろ?」
「気のせいじゃないし! その証拠に俺のムスコさん、めっちゃ元気になってきておるしな」
雄介は自分のモノを見ながら言うのだ。
「今日は自分でやれっ!」
例え望の後ろであっても、そういうことを平然と言う雄介に、雄介のモノを見ないように望は正面を向いて瞳を閉じてしまう。
「あーあ! じゃあ! 今日はそうすることにするわぁ!」
雄介はそう怒ったように言うと、いきなり浴槽から立ち上がり浴槽を出て体を洗い始めてしまうのだ。
やはり今日の雄介は変だと思う。
いつもなら、しつこいくらいに望に言い寄ってくるのに、今日の雄介は怒ってばっかりだ。しかも、すんなり引いてしまって今は体を洗いに行ってしまっている。
雄介が怒って行ってしまった後には、二人の間に会話も無くなり、雄介が体を洗う音だけが浴室に響いているだけだ。
しかも雄介は体を洗い終えると浴槽には入らず、すぐにお風呂場を後にしてしまった。