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第20話『シルバのメモ帳:冒険者ランク - ギルド認定基準』

――下記は、『冒険者心得:ギルド公式手引書』に準拠した、冒険者管理ギルドが定めた冒険者階級をで日本語訳したものです。


 各階級で受注可能な依頼クエスト、ギルド内での役割、および活動範囲も追記しています。


 分からないことがあったら、また聞いてください。


↓  ↓  ↓


初階しょかい


冒険者としての初期段階にあたる者を指す。


基本的な知識と技術の習得を始めたばかりで、実戦経験は少なく、危険な状況への対応能力に限りがある。


新人育成のため、指導者の監督下での活動が推奨されている。


活動範囲は、低リスクの依頼に限定され、直接的な戦闘を伴わないクエストが中心。


武器の基本操作、簡易魔法の行使、地図読解、周囲警戒などの基礎スキルを、実践を通じて習得することを目的とする。


→僕もここにあたります。


凡階ぼんかい


初階で経験を積み、基本的な戦闘技術と状況判断力を身につけた冒険者。


危険の兆候を察知し、一定の不測の事態に即時、対応ができるようになると認められる。


ここから、単独または少人数パーティによる小規模な魔物モンスター討伐、都市間護衛任務など、予測可能なリスクを伴うクエストが受注できるようになる。


この階級に達すると、クエストから日常的に安定した報酬金を得られるようになる。


練階れんかい


豊富な経験と実績を有する熟練冒険者。


小・中型モンスターの群れなど中規模の脅威に対し、複数のパーティを率いて対処が可能。


複雑な状況判断や戦略立案を行い、未開地ダンジョンの偵察、古代文字解析など特定の分野で専門性を発揮する者も現れる。


一部の高い危険度を伴う重要依頼を受注できる他、衛兵に代わり街内の安全を脅かす存在の排除、初階の新人指導にも関与できる。


闘階とうかい


ギルド内で最高峰の実力を持つ冒険者。


卓越した戦闘技術、戦術的判断力、並外れた身体能力、高度な魔法、または特殊な技能を駆使し、大型モンスターを単独で遂行できる。


活動範囲は、ギルドの存亡に関わる高危険度のクエスト、禁域指定されているダンジョンの攻略、特定大型モンスターの排除など。


この階級に到達した冒険者には、その功績と実力を称え、ギルド公認の特別な称号が授与される。


→真雲さんが撃退した、ガルザック、ゼルド、リナスがここにあたる。


覇階はかい


国家レベルの脅威に立ち向かい、その功績から『英雄』と称される冒険者にのみ与えられる階級。


存在するだけで、外交や防衛戦略に多大な影響力を持っており、単なるクエストの遂行を超え、国家存亡をかけた大戦といった極めて重大なものも扱う。


個人の圧倒的な武力はもちろんのこと、大局を見通す戦略的思考力と、数百から数千の兵士・冒険者を統率する指揮権を保持しており、発言一つで、多くの人々の運命を直接的に左右する。


→この世界に『勇者』がいるようで、階級にするとここに当てはまります。


聖階せいかい


数多の伝承に名を残す伝説。

生物や個の限界を超越し、世界そのものに影響を及ぼす者に与えられる階級。


その者の特徴を文字に集約し、最後に『聖』の字を冠して『‐聖』と称される。


他の階級と一線を画すのは、国や一般市民からの要請に基づく通常のクエストを一切遂行しない点。


唯一、活動を求められるのは、世界の法則を歪める特異点や未曾有の災厄など、既存の手段では解決不能な対象の即時撃破のみ。


彼らが表舞台に現れることは極めて稀で、それ即ち、世界が存亡の危機に瀕した最終局面であることを意味する。


いわば、世界の破滅を防ぐ最後の砦である。



――――――


 読み直したいときは、またこのメモ帳を開いてください。

 いつでも貸しますから。

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