さくらば ゆう
恋愛現代恋愛
2026年05月19日
公開日
3.3万字
連載中
私の婚約披露宴で、未婚夫・神崎透司は、
「体が弱くて病弱な」聖女の妹のために、堂々と席を立った。
これが、すべての始まりだった。
彼は、私が徹夜で描いたデザイン稿を持ち去り、
彼女の名前を冠して雑誌の特集に出す。
私の母が唯一遺した、すべてのインスピレーションが詰まった古いノートさえ、
彼は黙認して、ゴミ同然に捨てさせた。
五年間の関係で、私がもらえたのは、たった一言――
「大らかでいろ」
急性胃炎で診療所から一人で帰宅した夜、
SNSを見れば、まるで完璧なカップルのように二人は映っていた。
その瞬間、私は完全に諦めた。
その後、私の個人ブランドは国際的な賞を受賞し、スポットライトの下に立った。
かつて私を軽んじていたあの貴公子は、雨の中で崩れ落ち、私に振り返るよう懇願した。
でも私は、隣にいる人の腕を握り、軽く微笑む。
「神崎君、その罪悪感は自分のために抱えていて。私の未来は、もうあなたには関係ない」