🆕作家インタビュー:古芭白あきら——書きたくて書いたものに反応貰えるのが一番嬉しいです。ネオページ編集部2025年05月07日

――自己紹介をお願いします

古芭白こばしろあきらというペンネームで小説を書かせていただいています。

好きな作品は……宮城谷みやぎだに昌光まさみつ先生の歴史小説が好きです。昔はSFもよく読んでました。わりとなんでも読んでいるつもりですが、最近の流行ジャンルや作品にはちょっと疎いかもしれません。

 

――連載中の作品は異世界恋愛ジャンルですよね

そうなんです。『麗子様は好き勝手に生きてやる』という作品を連載しています。少女マンガの悪役お嬢様に転生してしまう話です。最近よくある悪役令嬢とかチートとか……のフリをした、実は日常ドタバタコメディです(笑)。

舞台は現代日本なんですが、ヒロインの麗子は元華族なので生活水準とか常識と違うところがあるんですよ。それを茶化したりするような感じですね。一応ジャンルはラブコメなんですが、今は初等部編なのでまだラブ要素がなくてただのコメディです(笑)。

中等部編、高等部編と続く予定なのでラブの波動も強くなる予定です!

 

――ラブの波動気になります! ネタバレしない程度に構想を伺ってもいいですか

今は、やっと麗子が「自分が少女マンガの悪役になっている」ことに気づいて、破滅回避のために奮闘しているんですね。これから「少女マンガの正ヒロイン」と出会ったり、人間関係が構築されていく予定です。

これからキャラをいっぱい増やす予定があって……なんて言えばいいかわかんなくなってきた(笑)。

 

――これからラブのプッシュが始まるので、乞うご期待! って感じでしょうか

そうそうそうです! そんな感じです! まだ少女マンガの本編すら始まっていなくて、裏話的なところをやってるんですよね。高等部編ではダブルヒロインになる予定なので、楽しみにお待ちいただければ。

 

――ありがとうございます。続いて、ネオページを使い始めたきっかけを教えてください

現在の担当編集さんがXでDMをくださったんですよ。サイトが立ち上がるときにお声がけいただいたんですけど、別の作品を書いてる途中だったので最初は迷いました。

でも他の作家さんたちがネオページで書き始めていたので、なら僕もやってみようかな、1作品だけお試しの気持ちでと。結局投稿したのは10月頃でした。NSP賞もやっていましたし。

 

――新興サイトのスカウトだったわけですが不安はありませんでしたか

原稿料とかの話なんですけど、やっていけるのかな? と思ったんですよね。新しい小説投稿サイトは立ち上がってもなかなか継続が難しいじゃないですか。なのでそういう心配から、最初はお試しの気持ちで投稿を始めました。徐々にどうなるかを見ていければいいかなって思ったので。

 

――実際に契約作家になってみてからはどうですか

僕はいろいろなサイトを使わせていただいているんですけど、でもどれも自由に書いていて、原稿を納めるっていう経験がないんです。だから緊張感というか、締め切りがあって原稿を仕上げる環境というのが新鮮ですね。締め切りあるのってこういう感じなのか……! って。

 

――自由に書くのと比べて、締め切りがあると苦しいですか?

苦しい時もありますね(笑)。カクヨムでも書こうと思っていたものがあって、どうしよう、手が足りてない、とか思ったりします。ネオページで週3回連載だったものを週2回に減らしたりとか。

 

――担当者のサポート体制はいかがでしょうか

僕はすごく自由にやらせてもらっていて、担当さんに相談はあまりしていないので(笑)、もっと相談とかしたほうがいいのかな……って申し訳なく思ったりします。『麗子様』は恋愛ジャンルだし、担当さんが得意なジャンルもあると思うんですけど、他ジャンルも書くのでこれ言ってもいいかな? って思ってためらってしまうんですよね。

ただ「このジャンルだけ書く!」って方が多いのかと思うので、僕の意見は参考にならないかもしれません(笑)。

 

――契約作家になったことでなにか変化はありましたか

うーん? あまりないですね。活動始めてまだ数ヶ月なので。でも、原稿料入って「おお……!」みたいな感情にはなりました。

 

――ちょうどいいので原稿料について聞かせてください!

もらっただけで、まだおろしてないんです。何に使おう、とかは実はあまり考えていなかったので。最近パソコンが古くなってきたから買い替えないとなあ、と思っているので使うならそれかな。

 

――パソコンって古くなると挙動が怪しくなりますもんね

そうなんですよ、もうとにかく処理が重たくて! 本体に色々と保存しているので、データが飛んだらめちゃくちゃ困りますね。バックアップはとってますけど、それでも不安ですよね。

 

――パソコンを買うとなると大きな額が必要ですよね。今の原稿料で満足されてますか

僕は書籍化とか文筆業の実績がないので、妥当な金額なんじゃないかと思ってます。プロ作家やライターの契約作家さんと比べたら少し低いかもしれないですけど、その金額が自分には適切……むしろちょっと高いかなと思っているくらいです。

実績が積みあがって、プロになったら金額が上がったりしたらいいですね。

 

――実績がない、ということは普段は作家ではなく別のお仕事をされているのでしょうか

そうですそうです。仕事の合間に書き物をしています。

 

――時間を作って執筆するのはモチベーションの維持なども大変ではないですか

たしかに時間はあんまりないですね。でも好きで書いているので、モチベーションとかはあまり考えてないです。

 

――どういう経緯で小説を書き始めたのでしょうか

最初は読書のほうが好きでした。元々、僕はバーホッパーなんです。ただコロナ禍に外出が制限されたので、そのときに家で何しよう? ってなったんですよね。巣ごもり中に読みたい本もなくなってしまって、そのときにネット小説を読み始めて、自分でも書いてみようかなって思いました。

書いてみて、続けて、趣味になってきたって感じですね。

※バーホッパー……一晩で何軒もバーを渡り歩くお客様のこと。

 

――じゃあ書いてみよう、って考え方が非常にアクティブですね

ほかにすることがなかっただけですよ(笑)。

 

――コロナ禍というと2020年くらいですよね。執筆歴は4年くらいということでしょうか

そんなにないかも、3年くらいじゃないですか。でもコロナ禍から創作始めたって人は結構多いと思いますよ。そもそも読書好きな人とかが書き手側に流れていく感じかもしれませんね。

 

――最近は外出制限もなくなりましたね。執筆以外だとなにをして過ごされているのでしょうか

基本は飲み歩いてますね。飲みすぎは良くない、という気持ちは持ってますよ!(笑)

 

――よく飲むお酒はなんですか?

なんでも飲みますね。日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、カクテルだったらジンでもウォッカでも。珍しいお酒とかも好きですけど、最近は1周回ってハイボールとかに落ち着いてしまいました(笑)。

 

――お酒がテーマの小説も書けそうですね

じつは書いたことありますよ! 小説家になろうさんのほうに載ってます。ジャンルは酒×ラブコメですかね。

 

――  『麗子様』もラブコメですよね。古芭白さんの好みはラブコメなのでしょうか

いや、そんなこともないですよ。小説家になろうで最初に書いた2作品はどっちもコメディでした。3作品目がシリアス系の恋愛ものだったかな。

でもコメディが得意だというわけではないです。話しててわかると思うんですけど僕、面白みのある人間じゃないので。

 

――な、なんてこと言うんですか~!

いやいや本当に(笑)。書きやすさでいうとシリアスなもののほうが楽ですね。じゃあなんでコメディ書いたの、って話なんですけどシリアス作品も途中にクスッとするターンがあるじゃないですか。練習しておかないと書けないかもしれないなと思ったんです。じゃあ最初から飛ばしてコメディを書いてやろう! と思いました。

そのあと、小説家のなろうの作家コミュニティに参加して、シリアス書くタイミングが来たので3作目を書いて……っていう流れですね。難しくて途中で一回投げ出しましたけど(笑)。でもなんとか完結しましたよ。

 

――完結できてよかったです! Web小説は未完結作品たくさんありますもんね

せっかく読み進めても、エタってる作品だと「ちょっとなあ」という気持ちになってしまいますよね。

※エタる……Web小説やゲーム製作などで、完結しないままに更新や連載が途中で打ち切られてしまう状態。永遠という意味の「エターナル」を動詞にしたスラング。

 

――作家コミュニティがある、とおっしゃっていましたが他の方と交流したり、他の方の作品を読まれたりするのでしょうか

読んでるのもありますね。全部! とはいかないですけど(笑)。

 

――ネオページ上ではなにか読まれている作品はありますか? 古芭白さんのおすすめがあれば教えてください

ネオページでだと、八月朔日ほづみさんの『逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX』ですね。なんかちょっと、最近の流れの中では少し珍しいテイストの作品だなあと思います。

八月朔日さんはホラーも書かれてますけど、僕はホラーが苦手で(笑)。どうやって楽しめばいいかよくわからないんですよね。ゾクッとするのが良いらしい、というのはわかるんですが文章で読んでいてもあまりそこまで没入できないんです。

 

――明るいジャンルのほうがお好きなんですね

恋愛とかファンタジーとかが好きですね。『逆プロポーズ』は設定や流れがトレンディドラマっぽいなと。僕自身もこういうものを書いてみたいなと思ったことがあって、ただファンタジーばかり書いているのでなかなか着手できなかったので今回の『麗子様』は現代を舞台にしたんです。

 

――古芭白さんの今後の注目ジャンルはありますか

そうですね、ファンタジージャンルが氾濫しているのでそれ以外のジャンルが、なんでも、もっと流行ればいいのになとは思います。最近特に下火になっていると感じるのはSFですね。ソノラマ文庫とかそういうのばっかり読んでいた時代があるので、SFが減っているのはちょっと悲しいですね。

 

――『銀河英雄伝説』(田中芳樹、徳間書店)みたいなもの見かけなくなりましたね

うわっ懐かしいですね! 世代がバレちゃうな(笑)。『アルスラーン戦記』(田中芳樹、角川書店)とかも最後とんでもない終わり方なので印象に残ってます。

 

――特に好きな作品を教えてください

自己紹介でも言いましたけど、僕は宮城谷昌光先生の作品が好きなんです。知っている人にはかなり有名なんですが、歴史小説家なので知らない人も多いかもしれません。どれも好きなんですけど、『楽毅』とか『孟嘗君』とか……歴史小説って史実に沿っているのでオチがわかっているじゃないですか。非業の死を遂げたりする人も多い中で、宮城谷先生の作品は主人公が力強い感じがして好きですね。

 

――担当者は『三国志』のイメージがあります

三国志は比較的あとのほうの作品じゃないでしょうか。春秋戦国時代の作品が多いと思いますよ。

 

――マンガなども読まれますか

読みますよ! なんでも好きですけど、ギャグとして参考にするのは『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫、集英社)ですね(笑)。

 

――ギャグで『北斗の拳』ですか⁉

ネタが潤沢ですよ(笑)。でも『Q.E.D. 証明終了』(加藤元浩、講談社)みたいな推理ものも参考にします。ちょっとマイナーかもしれませんけど。

 

――読み書きどちらも順調そうな印象ですが、執筆活動でネックになること・感じていることはありますか

創作を始める前と比べて、圧倒的に読む量は減ったと思いますね。時間が無くなっちゃって読めなくなりました。勉強足りないかな、本末転倒になりつつあるなと。どうにかしたいですけど、今はとにかく、たくさん書かないといけないのでなかなか難しいですね。

 

――スランプになることはありますか

しょっちゅうです! ただ、そういうときでも毎日何文字か書くようにはしてます。0文字っていうのは絶対ナシ! っていうマイルールがあるんです。平行して複数作品書くようにしているので、こっちが書けないからそっちを書けばいいか、って感じで切り替えは出来てると思いますね。

 

――複数作品を並行で書いていると、頭の中がごちゃごちゃになりませんか

全然ならないです。ただ今のところ並行して書いてるものの中からは完結作品が出てないし、執筆が止まっているのもあるんですけどね。

 

――執筆活動をしていて感動したことなどはありますか

なんだろう……? あ、2年前とかなんですけど、小説家になろうさんで短編をたくさん書いている時期があったんです。僕は「流行りもの」をあまり書かないのでランキングではパッとしない状態だったりするんですが、1作品だけ、日間総合1位をとったことがあるんですよ。その作品はレビューも感想もたくさんいただけたのでそれは嬉しかったですね。

 

――読者からのリアクションは励みになりますか

なりますね。コメント以外にもポイント入れてもらったりとか。売れるもの、流行るものを意識しないで、書きたくて書いたものに反応貰えるのが一番嬉しいです。

 

――これからの夢などはありますか

前提として、自分が活動する場所はWeb上だと考えていて、紙書籍にはなってほしいな、形として残ればいいなとは思っています。書籍からWebに読みに来てくれる人もいると思うので。

ただ、プロ作家として生計を立てたいか、というとそうではない気がします。今の仕事も大切なので。

夢は「もっと読まれるようになりたい!」であって、書籍化はそのための手段としてアリなのではないか、みたいな。

 

――今のお仕事を大切にされている、ということは楽しさややりがいもたくさん……?

いやあ~? どうですかねぇ(笑)。僕自身は本を書いているだけではダメだと思うんですよね。僕は天才ではないので、なにか経験がないとなにも生み出せないです。世の中にはそういうのがなくても書ける人がいますけどね。

 

――ネオページは書籍化必須ではなく、単話課金や投げ銭で作家が収益化できれば、と考えていますがそのあたりはいかがでしょう

それ自体は全然いいと思いますよ。僕は書籍化もしたいですけど、そういう方法があるのもいいことですよね。電子書籍も実物がないという意味では似たようなものじゃないですか?

 

――自分がその中にいるというのはどういう感覚でしょうか

僕はアルファポリスさんも使っていて、リワード収益をもらったりもしているので書く=お金になるという感覚自体はどこも変わらないかと思います。殺伐とするのは嫌ですけどね。PVがたくさんないといけないから、お互い足の引っ張り合い、とかはちょっと……。

 

――ネオページを他サイトと比較した良いところ・悪いところを教えてください

まずジャンル別ごとにページがあるのが良くできてるなと思います。あんまり他では見かけないですよね。

それから表紙があるのがやっぱり特徴的ですよね。AI利用に思うところがある人や足踏みしている人もいると思いますけど、僕は今後も社会にAIが増えていくのかなと思っています。

 

――ほかの作家さんと交流はしますか

僕はX(旧Twitter)がメインですね。前まではその小説家になろうのコミュニティにもいましたけど、そこにいた人たちがX使っていたのでじゃあ自分もと思って。

Xって似たような属性の人と繋がっていくじゃないですか。小説書いて、絵描いて、Youtuberもやって……みたいな人がたくさんいて面白いです。みんなよくやるなあ……と思いますね(笑)。

 

――古芭白さん、社交的ですね

いやいやいや! 全っ然社交的じゃないですよ!! あとで担当さんに聞いてみてください!

 

――担当との関係は良好ですか

悪くはないと思うけど、僕が契約作家の中ではあんまりメールとかしないタイプだと思います。なんて言えばいいかわかんなくなっちゃうんですよ。忙しいかな? って思うとなかなか連絡しづらくて。

 

――今後、ネオページに期待していることなどありますか

システム面の話でもいいですか? 感想に対するリアクションの確認が難しいです。どの作品についたリアクションなのかわからなくて……改修入ったら嬉しいです。

 

――契約作家を目指している方へ一言お願いします

Web小説作家の人はプロットを書かない人も多いかと思います。これはネオページユーザーに限らずだと思うんですが、商業を目指すならプロットは書けるようになったほうが、勉強したほうがいいんじゃないかと思います。

まあ、そういいながら僕も別に上手く書けるわけじゃないんですけどね(笑)。

 

――古芭白さんのファンに向けて一言お願いします

……僕のファンとかいるんですかね? いることを願いつつ(笑)。

いつも読んでいただいて、応援していただいて、ありがとうございます。最後まで書きあげられるのはファンの方あってこそです。誰も読んでくれないと途中で投げ出したくなってしまうものです。これは作家なら誰でも同じじゃないかと思います。

なので、僕の作品を読んで笑ったり泣いたり、なにか感情を揺さぶることができたら一言いただけたら嬉しいです。今後も応援よろしくお願いします。

 

――引き続き、連載をよろしくお願いいたします! 本日はありがとうございました。

麗子様は好き勝手に生きてやる 麗子様は好き勝手に生きてやる 異世界恋愛 | 悪役令嬢 古芭白あきら ・ 17.2万字 コメディ日常現代転生 ブックマークブックマーク 読む



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