恋愛小説の相手役をどう登場させる? 主人公との「最初の接点」から関係を動かす方法ネオページ編集部

恋愛小説を考えるとき、


「主人公と相手役をどう出会わせよう?」


と悩むことがあります。


偶然街で出会う。

仕事で知り合う。

昔の知り合いと再会する。


出会い方にはさまざまな形があります。


ただ、二人を同じ場所に登場させるだけでなく、もう一つ考えてみたいのが、


「なぜ、この二人はここから関わり続けるのか?」


ということです。


前回の記事「恋愛小説の主人公をどう動かす? 第1話で「決断」を見せる物語の作り方」では、


出来事 → 感情 → 決断 → 次の展開


という流れから、主人公自身の選択で物語を動かす方法を考えました。


今回は、その「次の展開」をもう少し広げてみます。


たとえば、


① 主人公が決断する

② その行動によって、新しい相手との接点が生まれる


という形です。


今いる場所を離れたから、誰かと出会う。

仕事を変えたから、昔の知り合いと再会する。

助けを求めたから、それまで関わりのなかった人物との関係が始まる。


主人公の行動と相手役の登場をつなげることで、

「出会い」をその後の物語へつながる出来事として使うことができます。


今回はネオページで公開されている恋愛作品を例に、

主人公と新しい相手との「最初の接点」から、

二人の関係を動かしていく方法を考えてみます。



目次

1.「出会わせる」だけでなく、「なぜ関わるのか」を作る

2.主人公の行動から「最初の接点」を作る

3.二人に「もう一度会う理由」を作る

4.最初から恋愛感情を持たせなくてもいい

5.相手役との「最初の接点」を考える4つの質問

「主人公を動かす」と「恋愛を動かす」をつなげてみよう



1.「出会わせる」だけでなく、「なぜ関わるのか」を作る

まず考えてみたいのが、

主人公と相手役が出会ったあと、なぜ二人の関係が続くのか

ということです。


婚約者に裏切られた天才医師の私、冷酷な極道当主に深く愛されています』では、主人公・美雨は結婚式当日、婚約者と親友の裏切りを知ります。


さらにその後、危険な状況に巻き込まれ、逃げ込んだ山奥の屋敷で負傷した男・的場と出会います。


ここで二人は、ただ偶然顔を合わせるだけではありません。


医師である美雨は、負傷している的場の治療を申し出ます。


そして、


美雨が的場の専属医になる。

その代わり、的場が美雨を守る。


という契約が生まれます。


つまり、


危険から逃げる

相手役と出会う

主人公の「医師」という役割が必要になる

二人が関わり続ける理由ができる


という流れです。


恋愛小説で相手役を登場させるとき、「どこで出会うか」だけではなく、

「出会ったあと、この二人にはどんな関わる理由があるだろう?」

までも考えてみる。


仕事。

契約。

共通の目的。

困っていること。

お互いが必要としているもの。


こうした要素があると、

最初の出会いから次の場面へ二人の関係をつなげることができます。

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2.主人公の行動から「最初の接点」を作る

相手役との出会いを考えるとき、前回の記事で取り上げた

「主人公の決断」

を使う方法もあります。


元カレが兄嫁の為に私を打った!?御曹司に溺愛された物語の幕開けだった』では、主人公・千夏が、それまで暮らしていた街を離れることを決めます。


恋人との関係によって傷つけられた千夏は、

仕事を辞め、祖母や兄のいる故郷へ戻り、新しい人生を始めようとします。

そして、その移動の先で登場するのが、兄とともに千夏を迎えに来た男性・天宮幸司です。


ここで注目したいのは、


主人公が「今までの場所を離れる」と決めたことと、新しい人物の登場がつながっていること。


です。


もし千夏が以前と同じ生活を続けていれば、

このタイミングで同じ接点が生まれたとは限りません。


主人公が決断する

行動する

主人公のいる場所や環境が変わる

新しい人物との接点が生まれる


という形になっています。


「相手役を登場させたい」と考えたとき、

相手役側から偶然やって来てもらうだけでなく、

主人公が何かを選んだから、その人物と会うことになった

という順番で考えてみる方法があります。


たとえば、


仕事を辞めたから、別の会社へ行く。

家を出たから、新しい街へ行く。

誰かに助けを求めたから、その人と話す。


主人公の決断によって行動範囲や人間関係を変えると、

そこから新しい相手を登場させることができます。


前回考えた「主人公を動かすこと」を、

今度は恋愛関係を動かすきっかけとして使う方法です。

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3.二人に「もう一度会う理由」を作る

最初の出会いができたら、次に考えてみたいのが、

「この二人は、なぜもう一度会うのか?」

ということです。


結婚三周年、クズ夫をふったら 禁欲系の氷室ドクターに溺愛されました』では、主人公・天音が結婚三周年の日に事故に巻き込まれます。


そこで彼女を診察するのが、氷室八雲です。

天音はあとから、彼が大学時代に授業を教えてくれた先輩だったことを思い出します。


ここだけなら、

「事故に遭った患者と、治療した医師」

という一度きりの接点で終わることもできます。


しかし二人には、その後も別の場面でも接点が生まれます。


こうすることで、最初の出会いが一場面だけの出来事ではなく、

二人の関係の始まりへ変わっていきます。


恋愛作品で「運命的な出会い」を描くこともできますが、

最初から強い恋愛感情を作らなくても、

たとえば創作の組み立てとして、


1回目:偶然出会う

2回目:別の理由で再び会う

3回目:相手を少し意識する


というように、接点を重ねながら関係を変えていく方法があります。


そのためには、「どう出会うか?」だけで終わらず、

「この二人を次に会わせる理由は何だろう?」

まで考えておくと、その後の展開を組み立てやすくなります。

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4.最初から恋愛感情を持たせなくてもいい

相手役を登場させると、

「ここで主人公に相手を好きになってもらわないと」

と考えることもあるかもしれません。


しかし、最初の接点ですぐに恋愛感情を成立させる必要はありません。


元婚約者に捨てられたのに、翌日には財閥御曹司の花嫁に!?』では、主人公・美月が婚約者との関係に区切りをつけ、新しい生活へ向けて動き始めます。


そんな中、友人に誘われて訪れた店で再会するのが、

以前、海外で何度か会ったことのある男性・司です。


無料話時点で、美月が司に強い恋愛感情を持っているわけではありません。

一方で司は、美月が一人暮らし用の物件を探していることを知り、

彼女の住まい探しを気にかけ始めます。


ここで始まっているのは、

「二人が恋人になること」ではなく、「相手のことを気にすること」です。


恋愛関係を段階的に作るなら、


出会う・再会する

相手を知る

気にする理由ができる

もう一度関わる

関係が変わっていく


という進め方も考えられます。


最初の接点では、「好きになる理由」まで作るのではなく、

「もう少しこの人と関わる理由」を作る。


そう考えると、恋愛感情がまだ生まれていない段階からでも、

二人の関係を動かし始めることができます。

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5.相手役との「最初の接点」を考える4つの質問

ここまでの内容を、実際に作品を考えるときに使える形にしてみましょう。


主人公と相手役を出会わせるとき、次の4つを考えてみる方法があります。


① 主人公は、その直前に何を決めたのか?


  • 前の恋人と別れる。

  • 家を出る。

  • 仕事を変える。

  • 誰かに助けを求める。


主人公の決断から相手役の登場につなげられないか考えてみます。


② なぜ、この二人は出会うのか?


  • 仕事。

  • 事故。

  • 再会。

  • 共通の知人。

  • 助けを求めた場所。


「偶然会った」だけでなく、その場に二人がいる理由を考えます。


③ 出会った二人には、何が起こるか?


  • 治療する。

  • 助けてもらう。

  • 契約をする。

  • 仕事を一緒にする。

  • 何かを頼む。


出会ったことで、二人の間に小さくても新しい関係を一つ作ります。


④ なぜ、二人はもう一度会うのか?


  • 仕事が続いている。

  • 同じ目的がある。

  • 返さなければならないものがある。

  • 相手について知りたいことがある。

  • もう一度助けが必要になる。


ここまで考えると、


主人公の決断 → 行動 → 出会い → 接点 → 次の接点


という流れが見えてきます。


最初の出会いだけを考えるのではなく、

「その次」まで一本につなげてみるのがポイントです。



「主人公を動かす」と「恋愛を動かす」をつなげてみよう

恋愛小説では、主人公と相手役の出会いそのものが、大きな出来事になることがあります。


けれど、その出会いを主人公の物語から切り離して考える必要はありません。


前回の記事では、


「出来事を受けて、主人公が何を決めるのか」


を考えました。


今回は、その続きを、


主人公が決断する

主人公が行動する

行動した先で、相手役との接点が生まれる

その接点が、次の関係につながる


と考えてみました。


主人公が自分の人生を変えようとしたからこそ、出会う人が変わる。

それまでとは違う場所へ行ったから、昔の知り合いと再会する。

助けを求めると決めたから、誰かとの関係が始まる。


そう考えると、

主人公の物語を動かすことと、恋愛を動かすことを一つの流れとして設計できます。


これから主人公と相手役の出会いを書くとき、

「二人をどこで出会わせよう?」と考えたあとに、もう一つ、

「主人公は、何をしたからこの人と出会ったのだろう?」

と考えてみてはいかがでしょうか。


その答えが、二人の「最初の接点」を、

その先の物語へつなげるヒントになるかもしれません。


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