「──ええ。ご褒美に私の
まっすぐに顔を上げる。まばゆく輝く笑顔が、地鳴りのような歓声を呼び込む。
彼女の青いブーツの足元が、
「みんな、今日は
マイクを通して朗々と響き渡ったそれは、女神への決別でしょう。
同時に流れ始めるのは天乃のソロ曲「片想い
「──ふうん。いいの? 本当に、それで」
けれどそこに響いた女神の冷たい声が、一瞬で、空間のすべてを凍て付かせます。冷たい手で、心臓を直に握られたように。
「よく思い出してみなさいゴルゴーン。あの痛み、恐怖、憎しみ」
彼女は淡々と、しかし絶対的な
「あなたは、
それでも天乃は、凛として女神を見詰め返す。魔眼は発動させず、人間として。
「あなたの最愛の妹たちと共に──そう、
あくまで淡々と
それと同時に、後方からとてつもなく異様な気配がした。
直上に跳躍してから翼を広げ、見渡した視界のなかで、ひとりだけが青の
周りから頭ひとつぶん抜けるすらりとした長身に、短くまとめた黒髪。端正な顔立ちに柔らかな微笑を浮かべる好青年。
「
高らかに発した声もまた、イメージのままの爽やかさ。
同時に、掲げた頭上の右手がグニャリと歪みながら、上に上に伸びる。それは肌色のまま
「ぁ……あ……そん……な……」
マイクを通して、天乃の震える声が響いた。空中で私が
薄れた後光の下から露わになったのは、三つ編みを上品な
「あなたは、彼とは初対面でしょう」
彼女は私の目を見詰め語り掛けます。ぞっとするほど優しい
「彼こそは多重転界勇者セイギ」
「