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第2−2話 戦い

大きく陥没してく穴をカイとゼーターは木から見ていた。

「何だ?蟻地獄みたいだな。」

カイは目を凝らしていると、陥没した穴から小さな空気の気泡が。そう思った頃に大きな口が飛び出してきた。そして口と一緒に巨大な黒い太いうねる身体が。



そのうねる生物はゼーターの方へ。

「!!」

ゼーターは木から飛び上がって突進してくる黒い物体を避けた。身体を翻して別の枝に着地して正面を向くと、黄色の瞳がゼーターを睨む。縦に細く伸びる目に、うねる身体。縦横無尽にはいつく周り、大きな口と鋭いキバ、そして舌をペロペロと出している。



「でっけぇ蛇だな!」

大きな口がゼーターをのこもうと向かってくるが、ゼーターは簡単に跳び上がり蛇の後ろを取った。そして手に持った柄から光るサーベルを出現させる。そして光の刃は蛇の首を切り裂いて頭と胴体を分断させる。



勢いよく鮮血が跳び上がりゼーターの髪から周囲の木の葉までを雨のような形で赤色に染めていく。

「…よし…、これで任務完了。あとはDNAを調べるためのサンプルを回収していかないとな…。」

ゼーターがサーベルを収めるべく、光を消してその柄を閉まった瞬間だった。サーベルを握っていた左肩から身体が分離するようにゼーターが切断されてしまった。

「なっ!」

ゼーターは倒れながら自分の無くなった肩を確認する。そこにはさっきの蛇の姿が。

「…こいつ…今さっき切り落としたはずじゃ…。」



「こいつは別物だ。」

「カイ?」

ゼーターの上からカイの姿が。

「ざっと全長は10メートル。2メートル地点あたりで身体が元々二つに分かれていたみたいだ。ゼーターが切ったのは一つの頭。今ゼーターを食ったのはもう一個の頭。」

「…お前はさっさと教えてくれよ。」

「…ゼーターが戦ってくれていたからよく見えたんだよ。」

カイはそう言っていると後ろから再び蛇が。大きな牙を向けてカイの方へ。



「っってことで…、残るあの頭を仕留めよう。」

大きな口に向かってカイは右手の平を向ける。手のひらが徐々に青白い光を放っていく。そして、一閃の光の筋が。光は蛇の口を通過して空に。蛇口は丸くきれいに焼かれ穴が空いている。

「…まあ、サイズ的に一発じゃ厳しいだろうね。」

カイはそう言うと微妙に位置をずらして連続してレーザー光線を連発して放ち、蛇の口の中を蜂の巣のようにした。蛇は途中で倒れて、木々をなぎ倒しながら地面に伏した。

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