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第三章 プレイ三日目

#36 登録者数1000人突破イエーイ!

「えっ、一〇〇〇人超えてる……! なんで?」


 テストプレイ三日目。私のチャンネル登録者数を確認すると四桁を記録していた。


 先にも言ったが、YabeeTubeではチャンネル登録者数が一〇〇〇人を超えれば収益化が認められる。具体的にはメンバーシップが開始可能になる。視聴者リスナー会員メンバーになると月額料金を支払う代わりに、チャンネル独自にして限定の特典を入手出来る。配信者クリエイターは特典を用意する代わりにメンバーシップから毎月収益を受け取るというシステムだ。

 具体的にどんな特典にするかはまだ思い浮かばないから、今日はまだメンバーシップを始める気はないけど。いやはや、これはとんでもない事態だ。とてもお目出度い。


 それにしても、どうして一気に増えたのだろう。昨日に比較すると倍だ。五〇〇人も新規様がいらしたという事になる。何かあったのだろうか。


「あー……ルトちゃんの配信に顔出した影響かなー」


 あれでルトちゃんのリスナーに顔が売れたのか。それで、その中の何パーセントかが私に興味を持って登録してくれたのか。有難い話だ。

 彼らにとって私はまだ「自分の推しが興味を示した対象」であり、彼らの推しにはなっていないだろう。それでも登録者になってくれた事は嬉しい。何事もまず第一歩がなければ始まらないもんね。


 ――よし。それじゃあ新たに増えた登録者様方の為にも、今日も配信を頑張っていきますか。


こんにちはこんにぐらー!」


 配信開始の挨拶をする。すると何人から挨拶が返ってきた。やっぱり登録者数が増えるとチャット数も違うなあ。


『こんにぐらー!』

『こんにちは~』

『おはにぐらー』

『ちくわ大明神』

『こんにぐら~』


 誰だ今の。オイちょっと待て、誰だ『ちくわ大明神』って打ち込んだのは。

 ……うん、そりゃあ数が増えれば割合的に変なコメントも増えるよね。是非もなし。





「なあ、今日は製作所クラフトに行かねえ?」


 ログイン後、朱無あかむ王国瑞加祷みずかとう市にて。

 合流したマイがそんな提案をしてきた。

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