ミスカトニック大学【みすかとにっくだいがく】
合衆国の北東部にある総合大学。
十七世紀の南北戦争後に総合大学になる。
民俗学、人類学の分野において研究成果を残している。
『地質学』『医学』『人類学』『考古学』の研究機関で、二十世紀初頭には南極探検隊を組織して派遣するなど各方面で活躍している。
個性の強い名の知れた研究者が多く集まっている。
図書館には多くの蔵書があり、世界に数冊しかないとされる
紀元前以前の文化を研究しており、先史時代の『遺物』なども保管されている。
ヒュペルボレイオス【ひゅぺるぼれいおす】
二十万年前に存在した文明。
現代で言えば北極海と北大西洋の辺りに存在していた。
高い文明レベルの文明で、多くの『遺物』が現代に至るまで残されている。
氷河期によって文明は崩壊を迎える。しかし、ヒュペルボレイオス人は氷河を渡り続けて数百年という時間をかけて、現代でいうヨーロッパの土地に辿り着いた。
そのときに多くの『遺物』が持ち込まれた。
しかし、文明の崩壊と共に多くの知恵が失われ、『遺物』を扱う方法は誰にもわからない。
鍵【かぎ】
ヒュペルボレイオス文明が作り出した『遺物』。
この時代にも『魔法』は存在したが、現代とはかなり毛色が違う。
『人間という段階からその上位の存在になる』という意味が強かった。現代の魔法は『現象を起こす』ものだが、この時代の魔法は自分の内側に起こすものだった。
人間としての魂の段階を上げるための手段だった。そのため、非常に儀式みたいなものであった。『瞑想』や『悟り』のようなものだった。
上位の存在から声を聞こうとしていた。
ヒュペルボレイオスに存在していた――現代で言うところの魔法使いが開発した『遺物』は、人類にとって創造主に該当する存在と接触を取るための手段だった。
それはのちの時代に――『神』とも表現されることになる。
時間をかけて、手間をかけて行う儀式。
それらの工程を省略したものが『鍵』だった。
だが、先史時代に作られたこの『遺物』のこれらの目的や用途を知る方法はない。
門【もん】
『鍵』を使うことで開くとされている『門』。
この『円』は人類が認識可能な次元よりも高い次元につながっている。
『鍵』を発動させる条件は『高次元の存在』というものを理解していること。
西暦以降では『高次元の存在』というものが天使や悪魔などの共通の認識としての造形が存在している。頭の上に輪があったり、純白の衣装を身にまとっていたり、翼が生えていたり、そういう姿を思い浮かべる。
それが『鍵』の発動条件にならない原因である。
『高次元の存在』というものを概念として理解している必要がある。
つまり、『鍵』が作成された時代の『高次元の存在』という概念をどんなふうに捉えていたかがわからなければならない。
ピントを合わせる必要がある。
一方で、ダンウィッチ・ダンバースはその『高次元の存在』を知っている。正確に焦点が定まっている状態である。
その『高次元の存在』の『異能』を有している。
故に『鍵』を発動させることができた。
円【えん】
『鍵』を使って『門』が開いたときに起きた現象のこと。
『門』の向こう側にいる『高次元の存在』が、こちらの世界を観測したことによって発生したエネルギーによる相互作用。そのエネルギーが
その後、『
『高次元の存在』がこちらの世界に現れたというわけではない。
観測したことで起きた現象である。
『円』を通して、こちらの世界を見ていただけである。
異能【いのう】
魔法ではない超自然的な現象を引き起こす能力のこと。
ダンウィッチが扱う『
本人も正確にはその『異能』を理解していない。
『極彩色の泡』は大小様々のしゃぼん玉みたいに出現する。
『泡』という呼び名や見た目に反して強度はかなり高く、弾力がある。
泡の表面は緑や赤などの玉虫色をしている。
その泡がいくつも集合すると
ダンウィッチ・ダンバースは当初、泡の強度を自由に扱えることを活用した肉弾戦をメインにしていたが、『円』のあとに出現した『魔女』との戦闘を経験し、対象物を泡に『包み込む』ことでサイズを調整したり、対象物を消滅させたり、今までとは違う使い方をするようになった。
『
その性質を元に『兵器』となる七人の子供は作り出した。そのときに『異能』として窮極の持つ性質の一部をそれぞれに与えている。
七人の子供はひとりずつ、『異能』を有している。
魔女(まじょ)
██=████
特殊な経緯を辿ってこちらの次元に観測した上位概念。
『円』の発生時に周囲に充満していた瘴気との衝突によって魔法が発動した。そのとき、概念が異なる次元からの『観測』という干渉が起きた。
これによって発生したエネルギーが受肉を果たす。
高速の学習と成長によって最終的には人類の言葉を使うほどになる。
無限に連なる泡という状態から、『