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第1章 第1話 人喰対策特務局②

「……人喰」

「そーやで」


 ぽつりとつぶやいた私に、今まで黙っていた軽薄そうな髭のおじさんがニヤリと笑った。


「お嬢ちゃんには、人喰ウィルス感染者の疑いがある」


 ボールペンの先をこちらに向けた。


「私、隔離されるんですか? ……最悪、殺処分とか……」

 せっかく兄も母も死んで自由になれたのに……。


「はっはっは!」

 髭のおじさんは頭を搔いて笑い出す。隣のおじさんが睨みつけると、肩をすくめた。


「いやぁ~そんなことはせんよ~」


 気に障るニヤニヤ笑いを浮かべて、彼はこう言った。



「君にはただ、職員になってもらいたい。人喰ヒトクイ管理委員会のな!」

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