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第1章 第2話 ポチ⑥

「あのっ! 今日は僕と一緒に遊んでいただいてありがとうございます!」


 背面に花が咲いているような満面の笑顔でポチは微笑んだ。


「い、いや別に大したことじゃないし……」


 純度百%のキラキラスマイルを直視するには照れくさくて、テーブルの上に置いてあるゲームのパッケージに目をそらした。


「あ、この犬オッ〇ンって言うんだ」

「え?」

「ん?」


 なんかポチが食いついた。吃驚した顔をして。


「あの、それ読めるんですか!?」

「……まぁ、読めるけど」


 馬鹿にしてるのかな? 母国語ぞ。


「そのパッケージに書いてある文章読んでくれませんか?」

「……? 別にいいけど」


 そんなに読む場所ないけど。


「僕、文字読めなくて」

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