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第1章 第2話 ポチ⑧

「あ、いやその……」


 ただじろじろ見ていました、なんて言えない。


「あのさ、ポチくんって何歳くらいなの?」


 とっさに思い浮かんだのがこれだった。まぁ、私と同じぐらいだと思うけど年上か年下かは気になるし。


「えっと……」


 彼は顎に手を当てて少し困ったような表情をした。


「あ、ごめん。年上か年下かだけ気になって。私は十八歳だけど……」

「そうですか」


 浮かない顔だ。私の年齢も開示してみたけど……。ポチは俯いて、歯切れ悪そうに口を開いた。


「あの、に……二十五歳……です」

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