緋村燐
恋愛夜の世界
2024年10月12日
公開日
7.8万字
完結済
「あーあ、見られちゃった」
かわいい顔をした
バラの香りがする義弟は
「でもいっか。こっちの俺を知られたんなら、もう抑える必要ないしな」
返り血を浴びながら、キレイな笑みを浮かべていた……。
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規制のある街・南香街。
禁止区域にたたずむ陽。
人を意のままに操る香り・通称N。
関わってはいけないそれらに
手を出してしまった萌々香は――
「モモからは、甘い匂いがするんだ……ほら、こうするともっと甘くなる」
「やっ、だめ……」
「もっと嗅がせろよ。そうすれば、きっと……」
花の香りに溺れるように
捕らわれた。
ーー陽、本当のあなたは
どんな人なの?