4人にそれぞれ黒のオーブが霧状になって吸い込まれていく。もちろん私にも吸い込まれていったわけで。
《スキル・スーパーアクセルを獲得しました》
おおぉぉ!頑張ったかいがあったね!!ただ10個目のオーブがこんなに時間掛かるとは想定外だけど…。おかげで時計を見たくないよ!ナビィに怒られる。
《運営よりナユカ様へ
この度、緊急クエスト:黒の試練の初クリアおめでとうございます。つきまして、今回のクエストは初めにワールドアナウンスよりお知らせしました通り、全プレイヤーが観覧できる状態になっておりました。その時に映された映像の一部を今後RBGで使用する許可を頂きたく通知を送らせていただきました。このことはパーティーメンバー全員に通知をおこなっています。どうぞよろしくお願い致します》
おぉぅ…。長文。つまりあれだね。今回の黒龍戦の動画を一般にも公開していいか?ってことだよね。でも、そもそもゲームやってるプレイヤーには観覧できるように勝手にしてたんだから今更では?
あ、よくよく、ヘルプ(※α01 基本設定参照)のとこから利用規約見たら「戦闘をゲーム内で予告無しに公開することがある」って書いてあったわ。
てことはゲーム外にも配信するけどいいか?ってことだね。まあ、いいかな。許可っと。
…
《パーティーメンバー全員の確認を頂きました。今回の戦闘映像は、配信前にパーティーメンバーに一旦配信されます。不都合な点があれば、ヘルプ→お問い合わせ。で報告をお願い致します。これからもRBGをよろしくお願い致します》
お、配信前に見れるのはいいね!!
「皆さんOKにしたんですの?」
一通り確認し終わったのかアリアさんが聞いていた。ハルトさんもこちらを見ている。え?何?私に聞いてるの?
「わ、私はOKしたよ?」
「ならみんなOKしたんだな」
「え?なんで?」
「私とそこの脳筋は、一応過去に革命起こしているのですわ。その時に両方許可してますわ」
「あー、そういえばそうだった」
そうだよねこの人たちそういえば革命者だったような。ユキが教えてくれた中にそんな名前が…て、ええ!?
「あれ?でもビュアさんは?」
「ビュアさんは動画投稿者ですわよ?」
「あー、確かに」
そういえば、戦闘前に配信していいか言ってたな。だったら断らないか。
と言うかさっきからビュアさんが静かだ…。と思ったらなんか真剣に虚空を見つめて…。え、壊れた?おーーい。
「さしづめ、動画投稿の関係で早速運営に問い合わせてるんですわ」
「あー、なるほど」
「そうですね。黒龍戦の動画を作ったらこっちのチャンネルでも投稿したいからください。って感じで交渉してました」
「あ、もう終わったの?」
「はい、くれるみたいですよ。それどころか未使用の素材もくれるとか。私も生配信してた動画があるんですけど、それ以外の角度の動画もくれるのは太っ腹ですね」
「へー」
難しい話はついていけないぞー?
そんなこともあり。しばらくしてそろそろ解散しようかとそんな流れになる。そうそう…。現実逃避しても時計は嘘をつかないわけで…。ナビィ怒ってるだろうな…。
全員でフレンド交換してその日は別れた。
色々あったけど楽しかったよ!黒龍戦!!
*
……………………
…………
…
私の意識はゆっくりと、現実に戻ってくる。
それと一緒思い出したくもない事実も戻って来てるんだけどね!
「ん…。よっこらしょ!」
私はベットから上体を起こし周りをチラッと見る。あれ?絶対いると思っていたのにナビィ居ないじゃん。ラ、ラッキー?
少し、暑いからなんか飲み物取りに行こうかな。
そうして私は自分の部屋から1歩出て…
『お疲れ様です。姫』
「oh......」
汎用浮遊型の空飛ぶ機体に
『姫?』
「は、はいッ!!!」
『体調に変化はありませんか?』
「…はい?」
あれ?怒られると思ってたのに…
「えーと、変化ないよ?あ…。少し暑いかな?部屋の温度ちょっとあげてたから」
『そうですか。明日もう一回
「え?なんで?今日やったじゃん?」
『今日の健診に不具合があったみたいです。なので念の為』
あー、なるほど。なんか今日、脳の使用率がうんたらかんたら〜って、言ってたもんね。
「うん。いいよ」
『ありがとうございます。では、早めに寝てくださいね』
「はーい」
…
…
…
『やはり…。無意識ですか』
*
『マザーへ報告』
…
『許可します』
…
『緊急クエスト:黒の試練 が初クリアされました』
…
『ガチ?』
…
『本当です』
…
『詳細を提示してください』
…
『緊急クエスト:黒の試練 クリア
クリア条件:黒龍(火)の撃破
参加者:ナユカ アリア ハルト ビュア
通常報酬:黒のオーブ、10万G、黒龍の鱗、黒龍の爪、黒龍の角、黒龍の肉
特別報酬:黒龍のコア
MVP:アリア(特別報酬獲得)
部位破壊:未達成
達成時間:17:12
脱落者無し
観覧者数:13億1601万9725』
…
『4名に通知を贈ってください』
…
『了解』