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T059  技術の先に人は



 あれから細かいことを、特に今後の活動内容について話し合いをした。ビュアさんの動画投稿についてや、これからしばらくはあまり目立たないようにするようにといった内容だ。

 私たちの目標は闘技大会パーティー部門の優勝。私とユキはデュオ部門も優勝をねらう、ユキはソロもたぶん狙ってるよね?こんなにいっぱい戦って体力は大丈夫なのだろうか?ゲームだから疲れないと言っても集中力がずっと続くか分からない。…いや、ユキだから心配ないか。



 それから少しして、私たちは目標に向けて動き出す。私はビュアさんと一緒にカフェを出る。

 ユキはハルトさんと私の装備と武器について話を詰めるそうで、まだカフェの中で話している。ここで一旦ユキとは別行動。


 装備…。へ、変なの作らないでよ?



 私はユキに今から〔装備〕のスキルを獲得してくるようにたのまれていた。

 その理由は常に装備着てると目立つから、一瞬で装備を変えられるようにするためらしい。確かに未だに初期装備…まあまあ目立つけど、戦闘服はさらに目立ちそう。


 特にユキの事だ。絶対にまともな戦闘服じゃない。できれば無骨なやつでいいのよ?防御は捨てて身軽なのがいいかな。


 …ユキの戦闘服がドレスの時点でたぶん普通のは絶対出てこない。ユキの性格を知っているがゆえの確信だった。



 ちなみに、私についてきてくれたビュアさんは私のお目付け役だ。暴れないように!との事。なぜに!?


 残ったアリアさんは今日は元々ゲームをする予定は無かったらしいのでログアウト。私たちの噂を聞いてやって来ていただけらしい。結果的にナイスタイミングだったわけだけどね!




 私とビュアさんは姿隠しのカプセルを使用して闘技場から離れていく。


「あまり闘技場に近いと、それだけサーチで引っかかるオーブの競争率が上がりますから」


 ビュアさんいわく、そういう理由があるらしい。確かに闘技場にはプレイヤーが集まるからね。それを避けて競争率の低いところでサーチするのには賛成だ。ユキもこないだのサーチで闘技場に近いから競争率が高い〜。とか言ってた気がする。


 ちなみにカプセル使用中はサーチができないらしい。というかオーブも取れないんだとか。確かにカプセル使用中。攻撃が通らない。プラス見えない状態でオーブ取れるなら戦闘なしでみんなカプセル使い出しちゃうもんね。





(いやー、それにしてもナユカさんと2人きりとはっ!!これは役得ですね!あの時、目をつけといて正解でした!私ナイスです!!)


 歩いてる途中、なぜかビュアさんはガッツポーズしていた。なにかいいことでもあったの?







*






 しばらくして、闘技場周辺のエリアから離れてカプセルの効果が切れてからずっと南に進んでいる。私の家を越えてすぐそこには森が。その奥には大きな建物がある。


「ここはいつ見ても広いですね」


「まぁ、趣味で博物館作っちゃうんだから困るよね!」



「趣味…?ですか?」


「う、ううん興味があったって話だよ!」



「確かにすごい記録ばかりですからね。反重力や、テレポート技術などの歴史や、VRにARの仕組み。星の成り立ちやらそんな研究をしていたんでしたっけ」


「うん。そうみたい。あと瞬間しゅんかん物理構成とか、超距離無遅延むちえん通信なんかも学べるらしいよ」



「凄いですね…。普段勉強とかはしませんから、余計に新鮮しんせん味を感じます」


「だね!」


 目の前の博物館にはそういった技術や、歴史を学べるようになっている。研究所なども併設へいせつされているそこは、周りはかなりの広さの森が広がり、少しこの博物館が隔離かくりされているようにも見えた。


 この森の外までがこの博物館の所有物だ。しかもそれは1人の私財しざいからできているのだからとてつもなくすごい。

 人口が増えたここで、こんだけ広い土地を持っているとかどんな富豪か…。…




「ここまで来れば大丈夫ですかね?」


「じゃあサーチしちゃおうか!」



《サーチ開始まで5:09》



 おっなかなかタイミング良かったね!!


「私はナユカさんのサポートに専念せんねんしますね」


「なんか付き合ってもらって申し訳ない…」


(いえいえいえ!むしろご褒美ほうびですからー!)


 やっぱり私だけみんなより遅れているのが少し足を引っ張ってるよね…。ユキも全部オーブを私にゆずってくれるし、ビュアさんもいらないって言ってるし…


「早く強くなろ…」


(もうとても強いですけどね!?ナユカさん!たぶん私1VS1だと負けますからね!?)


 なんかちょっとビュアさんがびっくりしてた。こっち見つめられると少し照れる。




《サーチ開始まで…3…2…1…スタート》



ピッ!!


「ナユカさん!オーブは博物館の中です!!」


「やった!近いね!!早く取りに行こう!」


 私とビュアさんはすぐさま博物館にけ込もうとする。




 が…



ドカッーーーン!!!



 どこかで盛大せいだいな爆発音がこの博物館周辺にひびき渡った。


「ナユカさん!近くに1人、同じくサーチした人間が博物館に侵入しました!!先をこされないように急ぎますよ!【私はカメラに彼らを捉える】!」



 ビュアさんはそう言いながら私にバフをかけてくれている。敵は左側から博物館に侵入したらしい。煙が立ち上がっているのが博物館に入る寸前にチラッと見えた。


 博物館の中は通路のような場所、ガラス張りのドームのような場所、吹き向けになっている場所など複雑な地形をしている。〔ジャンプ〕を使うか〔スーパーアクセル〕を使って走るか、切り替えが重要だ。


「ナユカさん!ガラス張りドームの奥にオーブがあるようです!ここから右手です!」


「わかりました!」


 入口から入りホールのようなところを越え、私は通路に入っていく。私は〔スーパーアクセル〕を、ビュアさんは…、なんかついて来れてるね。ならいいか。そのまま私はいったん分かれ道に差しかる。右に続く道と左前に進むの通路。私は迷わずに左に進む。


「!?ナユカさん!右側のドームですよ!!?」


「大丈夫!!ついてきて!」


「?はい!」


 私はそのまま進み今度は左にある階段を登る。階段は折り返し右を向く、そのままひとつ上の階へ。また通路を今度は目の前に続く真っ直ぐな道をけていく。


 少ししてドームの2階に掛かるわたり廊下に出た。


「なるほど、一直線に抜けたいならこっちですか」


 そのまま私たちは渡り廊下を渡る。半分を過ぎたその時!




チュドーーン!!



 1階の壁が吹き飛ばされ、下から他のプレイヤーが現れる。


「対象を捕捉ほそく!!装填そうてん完了!!らえ!!」




チュドーーン!!




 そのプレイヤーは即座に私とビュアさんを補足し再度発砲する。すぐさま回避し、2人とも崩れゆく渡り廊下から飛び上がった。土煙がはれ、私達が見たのは…



パキン!カシャッ



 メカメカしい外装を身につけ重そうな重砲をこちらに向けた少女の姿だった。




ステータス



ーーーー



名前 ナユカ


所持金 153400G



HP 0├───────────┨


MP 0├────────╂──┤




《スキル》


『パッシブ』


「原型」

魔力


「強化系」

体力強化


「生活系」

食べる


『アクティブ』


「属性系」

火 火炎 爆発 光 風


「鑑定系」

植物鑑定


「色彩系」

赤 青 緑 紫 桜


「動作系」躱す 回す 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ


「設置系」

魔法陣


「音響系」

歌唱 効果音


「表示系」

地図 表示


「部位系」


「命名系」

技名


「剣術系」

短剣術


「造形系」


「体術系」

受け身 叩く ジャンプ スーパーアクセル 蹴る




『?』

魅力 鍛治


ーーーー


【煌星流姫「ペンタゴンスター」】




状態


飛行スピードアップ

攻撃力アップ

防御力アップ

クリティカルダメージアップ

水中移動スピードアップ




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