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日記3

 さっきの訂正、とりあえずメールいっせい送信したら一人にだけ届いたらしい。返信きた。

 ま、少しやり取りしたら繋がらなくなったが。みじけぇ夢だったか。


 ひとまず、あいつも無事なのはよかったよ。居場所が遠すぎて残念だが、あの頭ならマジでこの異常すら解決できるかもしれんし。そんなこと匂わせてるしな。


 こいつを読む人にはなんのことやらさっぱりか。

 しゃーない、いちおうちょっと紹介する。あいつなら真面目に救世主になるかもしれんから。


 そいつはおれより四歳下のロリなんだけどね。亜麻色の長髪で鳶色の瞳の美少女だよ、ハーフだ。

 名前聞けばピンとくる人もいるはず。不出生の天才とかギフテッドってメディアでさんざん騒がれたから。

 けど、こんな記録残すからには脇役になりたくないんで、フルネームは伏せとく。


 で、そいつが幼稚園児だったときから、当時小学生だったおれとは腐れ縁なわけ。母子家庭で頭良すぎるせいで同年代の友達もろくにできないとかで、近所に住んでたおれはそいつのお母さんに頼まれて、よく遊び相手させられてたよ。

 高飛車で性格最悪なやつだけど、頭脳のせいで幼さとマセガキが同居してて、無邪気に抱きついてきたかと思えばちっぱい押さえて赤面して「変なこと考えたでしょ!」と暴力ふるうとか、理不尽だけどおもしろくてさ。歳が離れてても話題についてくるのも新鮮で、すぐ普通に仲良くなったがな。


 そんなあいつに追いつきたい気持ちもあって、遠くの高校に通うために一人暮らしなんて始めたりもして……。


 もっともあいつはもうアメリカの大学出て、フランスの研究所に行っちまったけど。いちおう、未だに連絡は取り合ってる。

 なんかすぐ名誉副所長だかなんだかに出世したらしくてさ、研究所では大人物の白衣着てるらしい。でもあいつまだ十二だから、裾引きずって手も隠れてて笑えるんだよ写メとか、


 て、書いてたらなんか寂しくなってきたわ。

 とりあえず孤独なんで誰か探す。家ん中いても小さいおっさんとか襲ってくるかもしれんし。

 災害とかの避難所って、こういうときも機能してんのかな?

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