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第102話・主様との相談・02


「やはり交代制、という事になるでしょうか」


「ただアタイ1人であの3人の行動を制限してしまうのはのう」


ぬし様はトップとしての遠慮もあるのか、やや申し訳なさそうに語る。


ちなみに3人というのは―――理奈・銀・詩音の3人で、それでやっと主様と

同等という事ではなく、


主様が戻ってくるまでの時間稼ぎは出来るだろう、という意味である。


そこで裕子さんが片手を挙げて、


「あのう、野狐やこさんたちがいると思うのですが……

 あの群れでもどうにかならないのでしょうか」


「そうか! あやつらがおったな。

 妖力ようりょくもかなり増しておるようだし―――10日くらいなら

 何とかなるかも知れぬ」


解決策が見つかったようで、鬼っ子が目を輝かせる。


「え、でもあの群れ30体くらいいましたよね?

 それでやっとあの3人と同じくらい?」


俺が疑問を口にすると、


「あの~、銀様もそうですが、理奈さんも詩音さんもかなり強い部類に

 入りますよ?


 むしろそこの主様が規格外なだけで……」


確かに、人間相手なら893組織と真っ向に戦って無傷だもんなあ。

そしてそんな3人すら余裕の表情で相手していたのか、琉絆空るきあさん。


「ま、そのためにもあの群れを少々きたえねばならんか」


そうして話が一段落し、


「お邪魔しましたー」


私がまず席から立つと、


「あ、満浩みつひろさんは先に車に乗っていてください」


「私たちもすぐ行きますから」


「?? ああ」


と、裕子さんと加奈かなさんを残し……俺だけがトレーラーハウスから降りた。




「ではこれを。DVDの使い方はわかっておりますよね?」


「バカにするでない。もう一通りの操作はますたーしておるわ」


武田はそう言って鬼っ子に一枚の媒体を渡す。


「中身はソフトなものからマニアックなものまで、いろいろ用意しました」


「うむ。これを見れば殿方を満足させられる方法を学べるのじゃな?」


「後は努力次第でしょう。健闘を祈ります」


そこで女性陣はガッチリと輪になって手を重ね……

ある種の同意というか同盟が交わされた。



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