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第117話・最終兵器鬼っ子(かのじょ)


「という懸念が出たんだけどさ、どう思うかな」


人数が増えたので、ちゃぶ台を何台も持って来てくっつけ、

それをみんなで囲んで食事をする。


田舎は親戚付き合いによる行事や風習が多いので、こういう大人数にも

対応出来て便利だと思う。


そして俺は男性陣で話し合った―――

ぬし様はともかく銀が認められるかどうか微妙』問題を女性に伝えた。


その話に、裕子さんに加奈さん、理奈、詩音が『う~ん』とうなるが、


「何じゃ、そのような事か」


そこで抜群のプロポーションとなった鬼、舞桜まおさんが口を開き、

全員の視線がそこへ集中する。


「舞桜さん、何か妙案でも」


彼氏である弥月みつきさんの兄が聞くと、


「アタイの事は認めても、銀は認められぬ、か。

 まあ人間からしたらそういう意見も出るかも知れぬ。


 が、それは人間側のみの事情だ」


「いや、それが問題になっているんですけど」


思わず俺が反論すると、


「まあ待つがよい、ミツ殿。

 もし人間側でアタイと旦那様の関係を認めれば……


 加奈殿はアタイの義理の妹となる、そうじゃな?」


うなずいてその問いに同意する。


「そしてその可愛い義妹いもうとは、銀との結婚を望んでおる。


 その結婚に反対して可愛い義妹を泣かせるなど―――

 義理の姉としてアタイが黙っていられるかな? という事じゃ」


続けて出た彼女の説明に、


「おー、なるほどです」


「確かに琉絆空るきあさんの身内になってしまえば……

 その後は家族として口出し出来るって事ですね!?」


理奈と詩音、人外組2人が鬼っ子の説明に感心して語る。


考えてみれば主様の言う通り、鬼は欲しいが河童はダメ、というのは

人間側の勝手な都合であって―――


それが鬼という、せっかく手に入れた最強クラスの戦力の反発を生む、

というのは悪手だ。


「お義姉ねえさまあぁああああ!!」


「おーよしよし。という事で琉絆空殿……

 本当の旦那様になってもらうのを最優先で動いてもらえぬか?」


抱き着いてきた加奈さんを撫でながら、舞桜さんは彼に向かって語り、


「そうだな。まずは両親から説得するか―――」


琉絆空さんの言葉に全員がうなずき、一応の方向性は決まった。



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