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第157話・協力者追加05


「おお……!」


「ごはんにお味噌汁、それに焼き魚も」


「……詩音お姉さま、和食の人だったのですね……!」


詩音の部屋からリビングに来た3人は、テーブルの上に乗った3人分の

食事を前に目を輝かせる。


「あれ? お姉さまは?」


瑠奈るながキョロキョロと室内を見回すと、外の廊下から、


「アタシは先に味見がてら頂きましたから。


 それに昨夜も言ったけど、ここもともと裕子様が一人暮らししていた

 ところなのよ。

 そこにアタシが居候いそうろうとして転がり込んだようなもので。


 だからテーブルも小さいでしょ?

 とても4人分の料理は並べられなかったから―――」


声だけでの説明に、水樹みずき一花いちかが改めてテーブルに向かい、


「あー、確かに」


「……うん。3人分でギリギリ……」


すると瑠奈がスマホを取り出して、


「?? 何しているの瑠奈ちゃん」


「うん、お母さんにメールしておこうと思って。

 この朝食の写メも添えて―――」


「……それはいいアイディア……

 じゃあ、ワタシも……」


そして3人とも一通りスマホの操作を終えると、


「「「いただきまーす」」」


目の前の朝食に取りかかった。




「お、おいしい……!

 昨日はバタバタし過ぎて、せっかくもらったおにぎりが手つかず

 だったけど」


「一夜を共にした後、朝、手作りの和食を頂く―――

 あのお店の常連に知られたら、あたしたち無事じゃ済まないでしょーね」


「そして料理の腕は……まるでどこかの料亭並み……

 これはもう嫁……詩音お姉さまはワタシたちの嫁ですわ……!」


と、3人は詩音の手料理を堪能たんのうし、


「食べ終わりましたか?」


廊下側からパタパタと詩音の声と共に足音がして、


「は、はい! ご馳走さまでした!」


「とても美味しかったです~!」


「……満足……過ぎる……!」


三者三様に感謝の言葉を伝えるとドアが開き、


「それは良かったわ。


 じゃ、食器を片付けるわね」


そこに現れたのは―――

中学生くらいに見える、黒髪のおかっぱ頭の少女の姿だった。




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