「え? そうなの? じゃあ夕方くらいにこちらは帰るから……
ええ、ご両親には連絡済みなのね? わかったわ」
ホテルの一室で、裕子さんがスマホで対応する。
「もしかして家からか?
っていうか、お昼にはあの子たち帰ると思っていたんだけど」
俺が何気なく問うと、
「何か料理を詩音さんから教えてもらう事になったそうよ」
「いやでも、家族が心配しないかな」
聞き返す俺に彼女は微笑み、
「まあ娘から手料理を持ち帰るって言われたら、たいていのお父さんは
許可するんじゃないかしら。
詩音さんも、今じゃ私と同じくらい料理出来るようになりましたし」
俺も裕子さんの手料理は結構食べているが―――
つまり、もう人間としてもかなりの腕前になっているって事か。
「まあ思ったよりのんびり出来るのはいいけど。
でも明日には出社しなければならないし」
俺はベッドの上にゴロンと寝転がり、天井を見上げると、
「先に
いましたけどね」
彼女がボソッと何か小声で話し、
「ん? 舞桜さんがどうかしたのか?」
「ううん、こっちの話」
そう言うと裕子さんがベッドで仰向けの俺に覆いかぶさってきた。
「え!? 詩音……か?」
「は、はい……ミツ様」
18時頃に裕子さんのマンションに到着すると、すでにあの女子高生3人組は
帰ったのか、詩音1人だけが出迎えたのだが、
俺が初めて彼女(彼)に会った頃の、おかっぱ頭に黒髪の姿となっていた。
「あー……ずいぶんと
「搾る?」
何気なく語る彼女に俺は聞き返すが、
「最近の女の子の考えるシチュってああいうのなんですか!?
すごく怖かったですよ!!」
「まあそれはねえ……
だってあなたはある意味、年上年下、両方の妄想を具現化したような
存在ですし―――」
「???」
そこで裕子さんと詩音は女性同士(一方は男の娘だが)で話し出し、
俺は1人離れて飲み物を用意する事にした。