「まあ落ち着かれよ、
何も
「何だと?」
司会役の男に、一番年齢が高そうな老人が聞き返す。
「実際、弥月一族の情報はどれくらい知っておられますか?」
その言葉に、部屋に集まったメンバーたちは顔を見合わせる。
「弥月
その妹の加奈が
他、倉ぼっこや
非公式ではあるが、司法機関とも手を結んでいる。
ざっとこんなところでしょうか」
「ふむ」
「まあ―――そうだな」
多少の差はあれど、自らも情報を得ているのか納得するような声が
あちこちから上がる。
「ではその後は?
そして、影響はどのように出ているのか?
我らが知らなければならないのは、そちらだと思われます」
場がざわつく中、1人が片手を挙げて、
「何か知っているのか」
その問いに彼は首を左右に振る。
「ですから、調べようというのが今回集まって頂いた趣旨でございます。
また妖怪たちは現代の暮らしに適応出来ているのか。
せっかく貴重なサンプルが出現したのです。
それらを調査してから、今後の方針を話し合っても遅くはありますまい」
そこでようやく、弥月家の調査が主眼だという事が全員に伝わる。
「ふむ……それもそうか」
「恋人たちの
「して、弥月家の情報はどれくらいある?」
同意が得られたと思った男は、何枚かの書類を配り、
「それに目を通して頂ければわかりますが……
どうも東北のとある地方と、東京の二重拠点で生活しているようです。
まあ仕事は都会の方がありますからね。
そしてどうも、東北でも新顔が追加されたようで―――」
「では誰を行かせるか……
諜報に長けた者が良かろう」
「不信感を抱かせないためにも、若い人材を向かわせた方が」
「では一ヶ所につき2人ほどで―――」
そうして彼らは、弥月家の動向を探るという事で方針の一致を見た。