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ずっとあのままでいられたら
ずっとあのままでいられたら
初めての書き出し小説風
恋愛現代恋愛
2024年12月11日
公開日
6,276字
連載中
永遠の愛なんてないのかもしれない。あの時あんな出来事が起きなかったら… 同棲して13年の結婚はしていない現在33歳の主人公「ゆうま」とパートナーである「はるか」の物語。 お互い結婚に対しても願望がなく子供もほしくない。 それでも長く一緒にいられたが、同棲10年目で「ゆうま」に起こったことがキッカケで、これまでの気持ちが変わり徐々に形が崩れていく。 またあの頃に戻れたらと苦悩しながらもさらに追い討ちをかけるように起こる普通ではない状況が、2人を引き裂いていく…

第1話 キッカケの出来事1

「…もう、その男の話は聞きたくないな」


「えっ、なんで?」

「昔、どんな些細なことでも相談してって言ったのはゆうまじゃん」

「だから、話してたのに」


「いや、そうなんだけど…」


「じゃあ、もう今後一切ゆうまには相談しないから」


「そうゆうことじゃないじゃん」



ここに行き着くまでにいろんなことがあった。

それらが、ゆうまの心をおかしくしていき、はるかに対する気持ちが徐々になくなっていくことにつながる…



その男とは"はるか"がオンラインゲームで知り合った人"けいすけ"。

遠方にご家族と住んでいて、たまに仕事で僕らのいる東京に来ることもあった。

ゲーム内で仲良くなり連絡先も交換して日常的にやりとりをしている。


ある日、"はるか"が

「今日"けいすけ"さんが東京に来るんだって〜!」

「だから一緒にご飯食べに行かない?友達紹介したいし」


そう言う"はるか"。

もちろんお互いのプライベートなことは話しており、相手の家庭の中でも"はるか"のことやパートナーがいることも知っているし、僕も奥さんとお子さんがいることは知っていた。


「いつもお世話になっているからって"けいすか"さんも言ってるから…だめ?」


変に断る理由もない。

僕もどんな人か気になっていたから折角だしと思い。


「あ〜いいよ〜」

と返した。



当日。

「あっ始めまして〜」

と待ち合わせ場所で簡単な挨拶をしてご飯を食べに向かう。


お酒も飲んでいる中でもちゃんとした人だと思った。

年齢は僕より8歳年上。

僕も楽しいご飯会であっという間に時間が過ぎた。


「もうこんな時間だね。そろそろ解散しようか」

「僕のこと迎えに奥さんと子供が車で来る時間だし」


と言う。


「あっじゃあ折角なので、僕らもご挨拶したいです〜!…大丈夫ですか?」


「もちろんだよ!」

「じゃあ向かおうか」


お会計を済まし待ち合わせ場所に向かう。



「あっお世話になっております〜」

「今日は旦那さん少しお借りしてすいませんでした〜!」


「あっ、どうも〜」

「こちらこそ、お会いできてよかったです!」


ご挨拶をした奥さんは見た目は普通のOLさん。

お子さんは小学3年生くらいの女の子。

「あっはるかさんだ〜!始めまして〜」


「ちはるちゃん、こんばんわ〜」


普通に良いご家族で、なんかいいなぁ〜としみじみ感じた。


「では、もうこんな時間なので帰りますね!」

「今日ははるかさん、ゆうまさんわざわざ時間を作ってくれてありがとう」

「またね〜」


「こちらこそありがとうございます!お気をつけて〜」


と、その日楽しいご飯会は終わった。


それから数ヶ月、今日もいつものように"はるか"は"けいすけ"さんとやりとりをしているようだ。

僕は一度会ったこともあるしからなにも気にとめない。


そんな日がさらに数ヶ月経った時。

その出来事につながることが起きた。




プルルルルっ

唐突になった"はるか"のスマホ。

見ると電話番号登録していないスマホからの着信。

少し不気味に思いながらも

「…はい?」

電話に出た。


「こちら、はるかさんの電話でお間違いないでしょうか?」

聞き覚えのある声。


「はい、そうですが」


「私、けいすけの妻です」


「あ〜どうも。こんばんわ。」

電話番号を教えた記憶はないのになんで?と疑問に思いながらも聞き返す。

「あっどうしました?」



「いや、そうゆうのいいから」


「はい?」


「あんた、けいすけと不倫してんだろう!」


いきなり鳴った知らない電話がそれだった…

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