一緒に帰ってきて、鍵を閉めた瞬間に、もう我慢しなくていいんだって思ったら、キレた。
要さんの住むマンションは、防音もしっかりしてると思う。
思うけど、玄関のドア閉めたとこでいたしてて、外に聞こえないかっていうと、微妙なんじゃないかと。
「あ……か、なめさ……や、もう、もう……あ、あ……」
「だーめ、もうちょっと……ああ、なっちゃん…かわい……いい、めっちゃ、いい……」
「……ぅん……ぁ……こえ、が……」
「うん、いい声。かわいい……ね、なっちゃん……」
でも、我慢できなかったんだ。
靴を脱いですぐにキスをねだって、そのままネクタイを引き抜いた。
オレから仕掛けられたのは、そこまで。
後は火がついた要さんが、オレの身体を隅々までかわいがってくれている。
そりゃあもう、今までの経験なんてなんの意味もないよねっていう勢いで、隅々まで。
思いもよらないようなところまで、触れて撫でて、舐めて噛まれる。
「せっかくだから、色々と考えてたのに、悪い子だね…なっちゃん。かわいい……ほら、もっと啼いて?」
「ああっ……や、だ? 要さん…悪い子、やだ……? あ、ああ……ん、や、出した、い……」
さんざん喘いで、半分泣きながら強請って。
自分の服を脱ぎ捨てたのはなんとなく記憶にあるけど、要さんがいつ脱いだのかはわからない。
要さんに誘導されるままに飾り棚に縋りついて、背後を明け渡す。
後ろから腰を支えた要さんが、指で繋がるとこを解していく。
「なっちゃん……なっちゃん、行くよ……受け入れて…」
フラフラで自分で立ってるのがやっとの状態で、要さんを受け入れる。
グイっと中をえぐられる。
「ぅああ……あ、あ……」
「きもち…い、ね……ね、なっちゃん」
「ん…ん、きもち……あ、かなめさん……かなめさ……す、き……かなめさん……」
大きくてアツくて苦しい。
でも、嬉しい。
いつもオレのことをいっぱい考えてくれてる要さんが、何も考えられないくらいオレに夢中になっちゃうの。
もっと、要さんもダメになっちゃえばいいのにって思う。
オレはもう、要さんがいないとダメダメなのに。
「んあっ…あ、や、そこっ……」
「ここ?」
要さんがオレに密着しようと右足を持ち上げて、オレは悲鳴を上げた。
要さんは背が高いから、ほとんど宙に浮いた状態だ。
根元を押さえられて、出すものも出せなくて、オレはヤダヤダと首を振る。
「ああ、ん……かなめさん……かなめさ、ん……、すき……」
「かわいいね、なっちゃん……ほら、頭ぶつけちゃうから、もう少し、我慢しようか?」
「ゃ……あ、もっと…かなめさん……」
持ち上げた足をグイって動かすから、オレの中も要さんのでうにょんって動く。
それが気持ちよくって要さんに抱きついた。
「なっちゃん、しっかりつかまって」
かわいいけど怪我しちゃうと、要さんが呟いて、オレを持ち上げた。
「え……? あ、や、あっ……あっ」
「ちょうどいいサイズ……このまま、ベッド行くよ」
ひょいっと、駅弁スタイルになって要さんは歩きはじめる。
足が動くたびに、振動がオレの中に伝わる。
「ああ、や、ふかぁい……あっあ」
「焦らなくても、まだ時間はいっぱいあるからね、ゆっくり楽しもうね」
楽しそうな要さんの声に、うんうんとうなずいたつもりだったけど、歩きながら泣きながらで、伝わったかどうかはわからない。
でも。
いっぱいベッドで愛し合って、落ち着いたのは朝だったから、伝わったんだと思う。
好き。
要さんが好き。
「なっちゃん、大好きだよ」
声は出ないけど、オレが伝えようとした言葉を要さんが口にしてくれるから、嬉しくてキスをした。
そこからまた始まっちゃったのは、ご愛敬だと思う。
だって、やっとのご褒美だからね。
終