スターフィッシュツリーの卵巣食べ配信は、沙保里も交えてやろうという話になったのだが、沙保里のスケジュールが合わないとのことで、後日改めてということになった。
今日は獄寺ちょことともに、深層にエクスプロディングスライムモールドを狩りに来ていた。別名激昂型スライム、または爆発スライムと呼ばれるスライムの上位種であり、獄寺ちょこの爆弾の材料となる魔物の1つだ。
1体ごとの攻撃力は弱いが、その爆発の際の威力が桁違いであり、粘液をつけられた際は、ひたすらゴロゴロと転がって、ダンジョンの地面でこすり取らなくてはならない。
また数が集まってくる為、こすり取りたいのに逃がしてもらえないのも特徴だ。粘液をつけられるのをさけつつ、ドロップ品を集めるというのが今日の目的である。
「いおり、あれ見て!スライムが変化しそうよ。あいつを倒せば5倍は素材がドロップするから、ちょっと様子見よ。」
獄寺ちょこが指さす先を見ると、一体のスライムが地面に張りついていた。その個体は何か別のスライムを体内に取り込んでいるようだった。おそらく他のエクスプロディングスライムモールドを取り込んだのだろう。
スライムという種族は魔粘菌族と呼ばれ、総じて別の個体を取り込んで巨大化するという性質を持っている。その際、巨大化した個体は、本来取り込んだ数の5倍以上の素材をドロップするようになる。
それでいて本来のステータスの1.5倍程度にしか成長しないので、ドロップ品目当ての場合は、あまり1度に倒さずに、脅威を感じて融合するのを待つのがお得なのだ。
「わかりました。それではあちら側の集団を減らしていきましょう!」
美織はそれに応じると、融合しつつあるエクスプロディングスライムモールドから離れて、別の場所へと移動した。
リスナーたちも獄寺ちょこの為のドロップ品目当てということで、毎回律儀にエクスプロディングスライムモールドの魔粘菌をアンケートで選択してくれている。
:順調やな
:エクスプロディングスライムモールドの魔粘菌使った爆弾は、直接被弾しなくとも、破片が身体についた後で再度爆発する2段構えだからな。なかなかタチの悪い武器をお使いでw
:狙って当てなくてもいいのが強いよな
:
:外国勢のコメントも増えたな
:海外からのスカウトも遅くないな
そのコメントは、数多の外国勢のコメントに紛れて、誰にも気にされることなく、流されて消えていった。
「
金髪にツインテールの小さな少女は、腰に手を当てて仁王立ちで入り口を見据えると、一気に深層まで駆け下りて行った。
「やった!10倍だよ!いおりがいると、やっば脅威を感じて融合が早いわ。」
「良かったですね、ちょこさん。」
順調にエクスプロディングスライムモールドの魔粘菌を手に入れ、獄寺ちょこはホクホク顔である。それをニコニコ見ている美織。
そこへ、
「──
金髪にツインテールの小学生くらいの女の子が、腕組みしながら現れた。
:誰だ?
:どっかで見たことがあるな
:可愛い
:ょうじょprpr
「
「
そう言って、先端の曲がった鉄パイプを背中から取り出すと、突如として美織に笑顔で殴りかかった!
:こいつ見たことあるぞ!
:
:charlotte Aaron!!
:鉄パイプの狂犬姫!?メイソン・オーシャンの娘じゃねえか!プレティーンながら深層に潜れるサラブレッドだぞ!!
コメント欄が突如あらわれたシャーロットに困惑する中、美織は振り下ろされた鉄パイプを素手で軽く受け止めると、
「危ないことしちゃ駄目ですよ?」
とやんわりお説教をした。ググググ……と力をいれるシャーロットをいなすように、右へ左へ、鉄パイプを動かし、それに力ずくで振り回されたシャーロットはブチギレた。
「
「小さい子がこんなところにいたら危ないてすよ?お姉さんと一緒に地上まで帰りましょう?」
と、あくまで迷子扱いである。
シャーロットはフルフルと震えると、
「
そう叫ぶと、ダンジョンの地面に鉄パイプを突き立てた。すると、ゴゴゴゴ……と音を立てて、ダンジョンの様相が様変わりした。
美織とちょことシャーロットの立っている場所が隆起して、エクスプロディングスライムモールドたちはその真下にずり落ち、上に上がれなくてピョンピョン飛び跳ねている。
「
シャーロットは挑発するように、鉄パイプを肩にポンポンと当ててニヤリと笑った。
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昨日も体調悪くて汗
更新遅くなりました。
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