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第9話◇スキル実験◇

 彩葉いろはは疑うことなく俺の家までついてきた。


 話を聞いていくうちに、彼女が未だに俺への想いを抱いていることが分かってくる。


 スキルを使うまでもなく、その心の中は透けて見えるが、スキルによってそれは確実であることが分かった。


 俺が何故催眠などの方法を使わなかったかと言えば、各種の実験をするためだ。


 思った通り、俺の力は常時発動しているものも含めて任意でオンとオフが切り替え可能らしい。


 そして俺にとってもっけの幸いだったのは、俺に有利な状況に運ぶ状況はスキルを発動していない状態でも自動でスイッチがオンに入るみたいだ。


 彼女が俺に恋慕の情を抱いていることは見ただけで分かるが、人の心は不透明なもの。


 その思いが確かなものなのかは、本当の意味では分からない。


 だが彼女の心が段々と昔の思いを蘇らせていくと共に、【以心伝心】スキルが自動発動し、彼女の想いが伝わってきたのである。


 つまり、彼女がどう思っているかを知りたかった俺にとって有利な情報が向こうから舞い込んできた。


 やはりこのスキルを与えた何物かは、俺に彼女を攻略させたがっている。


 そうであるなら、スキル無し――正確には俺が発動を意識しないで自動的に発動する【エロ同人】がどこまでヒロイン攻略に影響を及ぼすか。


 それを実験する意味でも彼女はスキルの発動なしで攻略を試みる。


彩葉いろは……少し、甘えても良いか?」

「ぇっ……、りょ、亮君?」


 いきなりセックスを迫ったら普通は嫌われる。

 しかし【エロ同人】というのはパッシブスキルとして常時俺の都合の良い方向に物事を動かしている。


 甘えてほしがりの彩葉いろはの膝に頭を乗せ、『久しぶりに甘えたい兄弟みたいな同級生』を演じて見せたら、速攻で欲情してくれやがった。


(チョロいな……まあ元々情を寄せていたからだろうが)


 線は細いが女の柔らかさをしっかりと含んだ太ももの感触を堪能しながら、俺は欲望をムクムクと隆起させた。


 だが頬を染める純情乙女に青春スタンドアップポジションを見せつける訳にもいかない。


 スキルを使えばすぐにセックスに持ち込むこともできるだろうが、ここはパッシブスキルだけでどこまでできるか、自動的にどこまで発動するのか確かめたい。


「良い女だな」

「ん? 何かいった?」

彩葉いろはは可愛いなって思ってさ」

「もうっ、何言ってるのよバカッ」


 キザでクソ寒いセリフも引くことなく受け入れてしまう。

 手くらい握ってみるか。少しずつ歩み寄って、セックスに持ち込んでみよう。


彩葉いろは

「ん……なぁに亮君?」


 彩葉いろはの目は赤ん坊を慈しむ母親のようだ。

 その顔を欲情したメスの赤みに染めてやりたい。


「キス、してみねぇ?」

「えっ⁉ き、キスッ……どうしたのよ急に」

「いやか? 俺は本気だ」


 いきなりのキスしたい宣言に目がグルグルと泳ぎ出す彩葉いろは


 不意打ち気味にぶち込まれた言葉に戸惑いが隠せないらしい。


 これは男性経験は浅そうだ。ひょっとして処女か?

 見た目ギャルだから経験くらいありそうだが、どうもウブな反応は相手が俺だからってだけではないらしい。


 明らかに男慣れしていない。


 これはもう押して押して押しまくればいけるな。

 手駒として洗脳するのはいつでもできる。


 まずはサブヒロインの純潔をどこまで素の状態でものにできるか、楽しませてもらうとするか。


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