さて、念願の
隠しヒロインは本当に現われる保証はまだない。
何しろ彼女は全員をクリアした後のデータでないと攻略対象にならないからだ。
この世界がどの段階なのかを確かめるには、彼女がゲーム内に登場す5月のゴールデンウィークが明けてからになる。
まあ今は考えなくてもいい。
まずは
彼女が登場する時期までに攻略キャラ全員を俺の女にしておく、なんて条件があったら目も当てられない。
彼女達の攻略を急ぐとしよう。
しかし、俺がこの世界に転生してまだ二週間も経っていない。
この短い期間でヒロインを3人も攻略できてしまったことを喜ぶべきだろう。
次なるターゲットは誰にするべきか。
何か糸口になるゲーム内イベントなどはなかったかな……?
◇◇◇
それから更に数日後。
ヒロイン攻略の決め手もないまま日々は過ぎていき、間もなくゴールデンウィークに差し掛かろうとしていた。
特に
ゲーム内において
幼馴染みとして霧島亮二を不良の道から救えなかったことを後悔し、その影を引きずっていた。
その霧島が道を正した(ように見える)今、彼女が俺にかかりきりになるのは自明の理、ということか。
さて、次なるターゲットは誰にするか。
そんなことを考えながら、どうにか彼女達と接触しなければと思っていたある日。
「あの、亮二さん……」
「どうした
学園での休み時間、考え事をしていた俺の元へ
クラスは騒然としている。そりゃ強面の不良と清楚可憐な学園の美少女四天王が話していたら騒ぎにもなろう。
「実はちょっと相談があるんです。
「何かあったの?」
「はい、実は……」
おかしいな。この時期の
体調が悪くなって入院をしてしまうイベントが秋頃にあり、彼女を攻略するために病院に足繁く通うことになるのだ。
「なるほど。何か理由があるのかな?」
「はい、体調が悪い訳ではないみたいなんですが、何か悩みがあるのかも……」
「幼馴染みは?」
「
「なるほど。好きなお兄ちゃんにこそ気付かれたくない悩みか」
やっぱり変だ。ゲームの流れとかなり違う。
まあ俺がいること自体が既にゲームの流れからイレギュラーを作り出しているとしたら、イベントの順番が狂ったり、知らない出来事が起こってもおかしくない。
「どうだろう、気分転換に俺達で出かけてみないか」
「亮二さんと?」
「ああ。話を聞くにしても、俺は彼女と信頼関係がない。
「そうですね。
そして喜んで協力すると言ってくれた。
まあほぼ洗脳した後なので当然の結果ではある。
それにしたってその反応の仕方は
さて、そんなこんなで