『花咲く季節と桜色の乙女』
国内海外を問わず爆発的な人気を誇り、そのゲーム内容とキャラデザインの秀逸さから、エロゲ予備軍と称される名作だ。
そうキャラデザインだ。ギャルゲーの
全年齢恋愛シミュレーションにも関わらず、あまりにも不穏すぎるバッドエンディングのせいで、薄い本界隈では"寝取られ"、"陵辱"などの純愛以外のジャンルで格好の餌食だった。
そのエンディングに登場する不穏な人物。『霧島亮二』。
こいつは薄い本界隈で圧倒的に竿役になることが多く、出番もCG一枚。セリフも表情もない単なるモブであるにも関わらず、一つのミームになるほど人気が高い。
俺はそんな世界で、そのエンディングに一瞬だけ登場するDQNみたいな格好のチャラ男に転生してしまった。
まずは一人目のヒロイン『
ライトグリーン色の明るい髪をポニーテールにした格闘元気娘。
華奢に見える体にはみっしりと鍛え込まれた筋肉が詰まっているが、それでいてプニプニと柔らかい女の子らしさを残している。
「はぁうんっ♡ 亮二君♡」
「すっかりセックスに慣れたな舞佳」
ベッドの上でピロートークをしながら甘えてくる舞佳の髪を撫でる。
「亮二君のおかげですぅ♡」
「鍛えてるだけあって良い締まりだぞ舞佳。めちゃくちゃ気持ち良かった」
「恥ずかしいですよぉ♡」
ゲーム内ではツンデレの立ち位置にいるキャラだが、俺に対しては天真爛漫で素直な可愛い女の子だ。
◇◇◇
「亮君、美味しい?」
「最高だ彩葉。お前って本当に健気で献身的だよな」
「これが性分だからねぇ。でも、こんなことするの亮君だけだもん♡」
飄々とした態度で主人公を翻弄する先輩ポジションな赤髪のサブヒロイン『
しかし彼女の幼馴染みであったこの俺に対しては、乙女である事を隠しきれない健気な女の子。
「ほら、初音もご奉仕しなくっちゃ♪」
「う、うん。亮二さん、ご奉仕……させていただきますね。はい、あーんしてください」
恥ずかしそうにお箸を差し出してくる桃色の髪の女の子。
ヒロイン『
淫乱ピンクと称されるドスケベムチムチボディの持ち主でありながら、本人は男という生き物に全く免疫がない人見知り。
そのバストサイズは脅威の105㎝。
一度スイッチが入るとハーレムメンバーの誰よりもエッチに対して積極的で、命令に従順で、なによりも愛が深い。
「ねぇ、ところでさぁ、なんで初音は亮君のこと、さん付けで呼びだしたの?」
「だって私と亮二さんは、対等じゃないですから。 私は足下に跪いている時が一番興奮するんです♡ 本当は、ご主人様って、呼びたいんですけど、普段からそればっかりだと、学園でも咄嗟に呼んじゃいそうで」
ようするに、自分から俺よりも下の立場にいたいという心理から呼び方を変えたらしい。
「いやぁ極まってるなぁ。私はそこまでなれないや」
「
「えへへ~。亮君の奥さんポジねらっちゃおうかなぁ」
元の霧島が懸想していただけあって、俺の
「わ、私も、奥さんには憧れる、かも」
種類は違えど従順で奉仕精神が高い二人。親友同士だけあって、その気質はよく似ているのだ。
◇◇◇
「こんちるる~♪ みんな~、ちるるだよー。今日はお兄ちゃんと一緒にエッチなゲームするよー」
カメラの前でダブルピースを決めながら足を開く小さな体の女の子。
犬のような耳とフサフサの尻尾を振って白い皮の首輪を付けている。
「あぅ、お兄ちゃん、小雪、とっても恥ずかしいよぉ。それに小雪、エッチな姿、お兄ちゃん以外に見られたくないよぉ」
「心配するなよ小雪。あくまでそういうシチュエーションってだけだ。人見知りを直すためにはっちゃける練習がしたいって言ったのは小雪だろ」
「そ、そうだけどぉ、ああ、恥ずかしい♡ 小雪、とってもエッチなことしちゃってるぅ♡」
ファンシーなぬいぐるみで彩られた可愛いお部屋の中で、真っ白な髪の女の子が犬のコスプレをして足を開いている。
乳首と局部をかろうじて隠せているエッチな下着を身につけているのは『
小っちゃくて、可愛くて、お人形さんのような女の子。
長い
「ほら、もう配信は始まってるんだぞ。お前は小雪じゃなくて、犬耳メイドのちるるちゃんだろうが」
実際にカメラは動いておらず、その様子がインターネットに流れ出ることはない。
強いて言うならこの痴態を見ながら盛り上がっている妖精さんがいるのだが、小雪がそれを知ることはない。
「あうぅう、ちるる、こんな格好しちゃうなんてぇ、お兄ちゃんの前で、恥ずかしいよぉ」
体が弱くて人見知り。引っ込み思案で声も小さく、友達も多くはない。
しかしそれは以前までのこと。俺とのセックスを経験するたびに精液を膣内に受け止め、エロチートスキルによってドンドン元気になっている。
1ヶ月に一度は高くなっていた発熱も、この頃は全く起こらなくなってきたらしい。
ちなみに誤解のないように言っておくが、さっきから俺達がやっているのはツイスターゲームであり、非常に健全な行為である。
勘違いしないようにな。
◇◇◇
「先輩っ、亮二先輩っ♡ 逞しくて素敵です」
「なんだよ、素敵なのは体だけか?」
「やぁん♡ 意地悪言わないでくださいぃ♡ 亮二先輩の全部が素敵ですぅ♡ 私がメロメロなの、知ってるくせに♡」
そして彼女こそがゲームにおけるメインヒロイン『
淡いピンク色の髪はゲームの象徴である桜の花と同じ色。
均衡の取れた体付き。可愛らしい小鼻と可憐な唇。
俺の胸板に裸体で密着し、うっとりとメスの色を見せる表情はゲーム内で見ることは叶わない。
その光景が現実に目の前にある。とろけた表情が艶めかしく、メインヒロインだけあってその魅惑的なエロスは威力が高かった。
俺はこのゲームのメインヒロインである佐藤優奈とのセックスを前世で死ぬ前からずっと夢見て来たのだ。
女の子を幸せにするチートな能力、『エロ同人』。
全年齢恋愛シミュレーションゲームの登場キャラクターをあられもない姿にすることができる、俺だけが有しているチート能力だ。
前世の俺は碌なもんじゃなかった。
今世で生まれ変わった霧島亮二という男も、種類は違えどクズだ。
そんな俺にだって一つの矜持がある。
せっかく転生したゲームの世界。大好きだったヒロイン達全員と目一杯幸せな人生を送ること。
俺が立てた目標は、さくさくに登場する全てのヒロインを幸せにすること。
バッドエンディングで不幸になることが確定している攻略ヒロイン達は全員救済した。
だが一年後になるまで確実に大丈夫かどうかは、まだ分からないのだ。
だから俺はゲームの知識を活かして不穏な未来を回避するべく、彼女達との絆を確かなものにしていく必要があるのだ。
ヒロイン攻略は完了した。後は時間をかけてじっくりと地固めをするラブラブ生活をしていくんだ。
最高の人生を歩んでいくために。
◇◇◇
「亮君ってばぁ、こんなエッチな衣装準備してるなんてさぁ」
「
くびれとおへそが丸見えになったビキニセーラー服とでも呼称しようか。
青やピンクといった、それぞのイメージカラーにあったエッチなコスチュームを着た美少女達が、俺の前に並んでスカートをたくし上げている。
美少女達の艶姿、たまらんですっ。
垢抜けギャルの『
格闘美少女『
二人とも可愛すぎる。
「亮二さん、エッチな格好で興奮してくれてるんですね……♡ 私、いつでも大丈夫ですから♡」
「お兄ちゃん♡
桃色髪の爆乳メス奴隷『
淡雪色のミニマム美少女『
「亮二先輩♡ 今日は日頃のお礼に、私達5人全員でエッチなご奉仕しますから♡」
そしてこのゲームにおけるメインヒロイン。
桜色の髪と柔らかい瞳の究極美少女『
現実には有り得ないカラフルな髪色の美少女達。
赤色と、緑色と、桃色と、雪色と、桜色。
5人の美少女達がドスケベな衣装でベッドに座る俺に
全員の瞳に浮かんだ淡く光るハートマークが煌々と浮かび上がってきた。
俺はスキルを全開にし、触れるだけで快感を感じるように全員の感度をアップさせた。
これで触るだけで興奮できるようになるはずだ。
「さあみんな、頼むぞ」
「「「「「はーい♡♡♡♡♡」」」」」
こんな光景を見られるなんて夢みたいだ。
妖精さんには感謝感激雨あられって奴だな。
「あの、亮二さん」
「おう、どうした
「はい。私、亮二さんのこと、できればご主人様って呼びたいです」
「なるほど。その辺は後で詳しく聞こうじゃないか」
「はい♡」
「では亮二先輩、まずは私にもたれかかってください」
「ご奉仕の基本は全員で、ですねぇ♡」
「お兄ちゃん、男の人も、女の子と同じところ、気持ち良いんだよね?」
まずは背丈の小さな美少女2人。俺の腕に巻き付きながら密着し始める。
「いっぱい仲良ししましょうね亮二君♡」
「
感度上昇によって本人も気持ちいいはず。
それは喜びとなって心が繋がった俺にも伝わってくる。
「そんじゃあ
「うん♡」
「それじゃあ、まずはこうやってぇ。
おおうスゲぇ。まさしくハーレムの極み。
極上の美少女達による極上の奉仕快楽。
たまらんっ! まさしく天国だ。
そうして始まる極上の宴。激しく奉仕する美少女達の体を好きなだけまさぐることが、俺にだけ許されている特権なのだ。
ハーレム。まさしくハーレムだ。
俺はこの世のヘブンを手に入れた。
「ねえ亮君っ、もうすぐゴールデンウィークも後半だし、みんなでお出かけしない?」
「それはいいな」
ゴールデンウィークは女の子達と楽しいレジャーに出かけるのもいいかもしれない。
「よーしっ! 皆でお出かけして、旅行先でイチャイチャ三昧だっ」
「みんなで、楽しい旅行でいっぱい思い出作りしたいですぅ♡」
「
「
ゲームの世界に転生した俺。
愛して愛して、愛して愛して愛してやまなかったヒロイン達との夢のようなハーレム生活は幕を開けたばかりだ。
ゴールデンウィークを明ければ隠しヒロインとの邂逅イベントも控えている。
そしてまだ物語に登場していないサブヒロイン達。
更には、まだ完全にバッドエンディングを回避できている保証はないのだ。
主人公がいなくなった以上、既にシナリオは崩壊している訳だが、ゲームエンディング時期である来年の春まで何が起こるか分からない。
だが妖精さんとチートスキルがあれば、彼女達とのラブラブ生活を確実にすることができるだろう。
やるべきことはまだまだある。
女の子達との幸せな一生の為に、俺にできる事は全部やるのだ。
「せんぱーい♡ 考え事ですか?」
「ああ。皆と過ごすゴールデンウィークが楽しみ過ぎてな」
「んもうっ、亮君ってば、今はイチャイチャに集中しようよ」
「
「♪」
「あーっ、
「みんなで、お喋りしてるから、お兄ちゃんのお兄ちゃん寂しそうだった」
ご奉仕しながらこれからの休日計画に思いを馳せていた隙に、
これが俺のハーレム生活。
これを守るために、頼むぜ妖精さん。
『おっまかせー☆ そんじゃあ恒例のボーナスタイムに突入しましょー♡』
頭の中で響き渡る甲高い女の声。便宜上妖精さんと呼んでいたのが、いつの間にか本人がそう名乗るようになった。
彼女がいる限り、この世界で普通じゃできないエッチが無限にできる。
そして、俺はその全てを使って彼女達を幸せいっぱいの人生にしてみせる。
「ほらみんなっ、今後のことはまたお話すればいいじゃない。今は先輩にご奉仕しましょう♡」
そして再びはじまる極上の女の子達によるトロトロご奉仕。
嗚呼、素晴らしきかな、我が人生。
素晴らしきかな、ゲーム転生のハーレムライフよ。