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第7話「予想外の裁判:パート2」


場面は、葵のハンマーが法廷に響く音から始まる。


「静粛に!」と、威厳のある声で葵が宣言する。「被告アレックスに対する証拠提示を続けます。」


メイは勝ち誇った笑みを浮かべながら、新しい書類の束を取り出し、葵の前の机に置いた。


「ここに、アレックスと…あの子、ナツミの親密さを証明できる目撃者のリストがあります。」


アレックスは目を大きく見開き、信じられない表情を見せる。

「目撃者だって?一体…?」


突然、法廷の扉が開き、金髪で乱れた髪に青い目をした生徒が現れる。彼は学校の制服を着ていて、アレックスの友人の一人、チャーリーだった。


> 名前: チャーリー・モーガン

役割: 重要証人

称号: 「うっかり情報提供者」

レベル: 75

特殊能力: 無意識に秘密を暴露する




チャーリーは緊張した様子で周囲を見回し、特にアレックスに向けて申し訳なさそうに小声で言う。

「僕…呼ばれたから仕方なく来たんだ。」


メイは一歩前に出て、彼の肩に手を置いて落ち着かせる。

「大丈夫よ、チャーリー。ただ見たことを話してくれればいいの。」


チャーリーはしどろもどろになりながら話し始めた。

「その…確かにアレックスとナツミが一緒にいるのを見たよ。数日前、図書館で何かをしていたみたいで。すごく仲良さそうだった。」


「仲良さそう?」と、葵が目を細めながら尋ねる。「具体的にどれくらい仲良さそうだった?」


チャーリーはゴクリと唾を飲み込み、アレックスを気まずそうに見つめながら答える。

「えっと…二人ともたくさん笑ってて、ナツミが自分のお弁当を少し分けてあげてたよ。」


アレックスは深く息をつき、顔を手で覆う。

「まさかこんなことになるなんて…。」



---


ハルの反撃


ハルが席を立ち、小さなネクタイを調整しながらプロフェッショナルな態度を見せる。

「異議あり、会長。この証言は何の証拠にもなりません。食べ物を分けるのは友情の証であって、恋愛の証ではありません。それに、依頼人はまだ結婚契約を結んでいないので、浮気とみなされることはありません。」


葵は前のめりになり、その目に情熱が宿る。

「運命が決まるのに契約は必要ないわ、ハル。でも、あなたの主張は受け入れましょう…今回は。」


ハルは自信満々に微笑み、小柄な体格にもかかわらずその態度がアレックスにわずかな安堵を与える。



---


陪審員の意見


財務担当のエリカが無関心な口調で鋭い指摘をする。

「葵、そろそろアレックスの言い分も聞いてみたら?今のところ一方的な話しか出てないし。」


葵は腕を組み、一瞬迷ったようだが、最終的に頷く。

「いいでしょう。アレックス、話して。」


アレックスは周囲を見回し、全員の視線が自分に注がれていることを意識しながら、ため息をついて立ち上がる。


「なぜこんなことになったのか全然わからないけど、本当のことを言うよ。ナツミと僕はチームの課題をやっていただけ。それだけだ。彼女が家に招待したのも、僕の家では作業ができなかったから。ただそれだけ。」


メイは目を細める。

「じゃあ、あの笑顔は?お弁当を分け合ったことは?」


アレックスは眉をひそめ、耐えきれずに声を荒げる。

「笑ったり食べ物をもらうことが罪になるのか?」


陪審員の一部はアレックスの答えに楽しげな反応を見せる。総務担当のサキはにっこりと笑う。

「確かに。これって裁判というより単なるショーじゃない?」


葵はハンマーを机に叩きつけ、怒りと楽しさが入り混じった表情で叫ぶ。

「静粛に!裁判はまだ終わってない!」



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予想外の展開


突然、別の扉が開き、ナツミが怒りに顔を赤らめながら入ってくる。


> 名前: ナツミ・タナカ

役割: 予想外の乱入者

称号: 「裁判の本当の被害者」

レベル: 85

特殊能力: 無謀な防御を展開する




「こんなの馬鹿げてる!」と、ナツミは葵を指差して叫ぶ。「アレックスをこんなくだらないことで責めるなんて、どうかしてる!」


葵は傲慢な笑みを浮かべる。

「ナツミ。ここに来るなんて興味深いわね。何か告白でもしに来た?」


ナツミは一歩前に出て、周囲を無視してアレックスだけを見つめる。

「アレックス、こんな茶番に付き合う必要はないよ。一緒に出よう。」


アレックスは驚きながらナツミを見つめるが、答える前に葵が立ち上がり、劇的にハンマーを振り上げる。

「裁判が終わるまで誰も動かない!」


場面は緊張感に包まれたまま停止し、アレックスは怒りに燃えるナツミと葵の間に挟まれ、陪審員たちはさらに混沌とした展開を期待する表情を浮かべている。


「続く…」



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