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第9話 エピローグ

 カーテンは閉めていたはずだけど、光の刺激で身じろぎをして、うっすら目を開けたら視線がばちって合った。


「おはよう」

「おはようございます」

「声、かすれちゃってる。喉はいたくない? 他に痛いとことか、ない?」

「だいじょうぶ……先輩、朝なのに元気ですね」

「……実は、感極まって、寝つけなかった……」

「じゃあ、もう少し一緒に寝てましょ……」

「やっぱつらかった?」

「ううん。まだ、中に先輩がるみたいで、幸せだから、動かないで余韻に浸ってたいんです」

「じゃあ、もうちょっとこうしていようか」

「先輩はちゃんと寝てくださいね……次に起きたら、オレ、ご飯作るから」


 これから先はまだまだ長いけど。

 きっともっといろんなことがあるとは思うんだけど。

 それでも、二人の遠距離恋愛が終わって同棲し始めた話は、一旦ここまで。

 そして幸せな話は、昔からこう締めくくられると決まっているので、そこにあやかっておしまいにしよう。



 こうして二人は、いつまでもいつまでも、幸せに暮らしましたとさ。




<おしまい>



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