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第70話 再会

そして、俺は走った。    


ずっと待ってた人に会いに行った。


斎藤檸檬は、静かに公園のベンチに座っていた。


俺に檸檬は、気がつくと立ち上がり俺を抱きしめてくれた。


「久しぶり。」


と俺は大人の女性になった檸檬に言った。


檸檬も、浪人して芸術大学に合格した。


「洋ちゃん、ずっと待ってた。」


「俺もずっと会いたかった。」 


ここから二人の物語は始まる。


俺は、高嶺の華を手に入れた。


二人は、キスをした。


プロ野球選手になったがヘリウスは四年連続最下位だった。


チーム内の雰囲気は、重たかった。


石丸剛久監督が、俺を見て握手してきた。


「ヘリウスを強いチームにして欲しい。」 


と言われた。


開幕戦は、洋が先発だった。


これがプロ野球か。


球場は、洋が入団した事で満員のお客が入った。


バイトを辞めるのも草野球を辞めるのも寂しかった。


バイトでは、映画を無料で見放題だったし。草野球では、センターを守っていた。


久しぶりに投手に戻った。 


対戦投手は、昨年度二十勝をあげて新人賞のタイトルを取った石黒豊だった。


俺は、ヘリウスを日本一のチームにしてみせる。 


第一球を投げた。


球がミットに吸い込まれた。


165キロ出た。


球場は、割れんばかりの拍手を洋に送った。 


悪くない。楽しい。


塩見洋は、マウンドで躍動した。


三振をストレートで奪い取った。


そして三番の豊との対戦。


洋は、大きく振りかぶって投げた。


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