小さい頃は楽しいって感情があったと思っている。お母さんと一緒に暮らしてて、毎日が楽しかった。はず。
一緒に笑って、泣いて、時には喧嘩をして每日が幸せだった。はず。
ずっとそう思っていた。けど現実はそれを許してくれはしない。僕というものを許してくれなかった。
「あんたは可愛い子なんだから可愛い洋服を着なさい。」
僕はお母さんに女の子の服ばっか着せられた。髪の毛も伸ばされて、ほんとの女の子のように扱われた。
(僕はこんなの望んでない。)
それから僕は幸せを忘れた。幼稚園ではいじめられた。男の友達からも、女の子からも冷たい目で「変なの」とか「気持ち悪い」って言われ、見られてた。先生も不思議に見ていた。その空間が苦手。大嫌いだった。自分が見えなくなってたら。その日の夜、僕は部屋にあるナイフで泣きながら髪の毛をハサミで切ったんだ。
「僕は、、こうなりたくてなった訳じゃな
い。こんなのいらない。」
その日僕は当然お母さんには怒られた。
「なんで?なんで髪の毛を切ったの?可愛い子じゃないとダメでしょ?」
「ご、ごめんなさい。」
謝ったけど、殴られたり蹴られたり、そのカッターで全身を切られた。そっから僕はずっと感情と痛覚の2つが消えた。それから親は褒めてくれなかった。
「お母さん、僕お勉強で全部できたんだ。」
「そう。当然ね。」
幼稚園でお勉強を頑張っても、運動を頑張っても褒めてくれなかった。そのうち何も話さなくなった。その後お母さんは狂ってしまった。お酒を沢山飲むようになって僕に暴力を奮ってきた。
「あんたなんかいらない!!!!」
そう言われて家を出された。寒かった。暑かった。そんな気持ちしかなかった。死んでも良かった。だけど神様は死なせてくれなかった。
「大丈夫、、?って大丈夫なわけないか。」
少し躊躇っているように手を伸ばしている。けどとても綺麗な金髪のボブヘアに、全て見透かされているような緑の瞳。死にたいのに、生きたいと思ってしまった。
こからかな、僕の日常が変わり始めたのは。