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僕の裏を見て
僕の裏を見て
葉崎
BL現代BL
2025年02月19日
公開日
829字
連載中
孤児院で育った男の子奈留、すっと成長を 見守っていた墓蒲。その愛情表現がおかし い方向にいってしまう、、2人の共依存物語

第1話 1つの話


小さい頃は楽しいって感情があったと思っている。お母さんと一緒に暮らしてて、毎日が楽しかった。はず。

一緒に笑って、泣いて、時には喧嘩をして每日が幸せだった。はず。

ずっとそう思っていた。けど現実はそれを許してくれはしない。僕というものを許してくれなかった。

「あんたは可愛い子なんだから可愛い洋服を着なさい。」

僕はお母さんに女の子の服ばっか着せられた。髪の毛も伸ばされて、ほんとの女の子のように扱われた。

(僕はこんなの望んでない。)

それから僕は幸せを忘れた。幼稚園ではいじめられた。男の友達からも、女の子からも冷たい目で「変なの」とか「気持ち悪い」って言われ、見られてた。先生も不思議に見ていた。その空間が苦手。大嫌いだった。自分が見えなくなってたら。その日の夜、僕は部屋にあるナイフで泣きながら髪の毛をハサミで切ったんだ。

「僕は、、こうなりたくてなった訳じゃな

い。こんなのいらない。」

その日僕は当然お母さんには怒られた。

「なんで?なんで髪の毛を切ったの?可愛い子じゃないとダメでしょ?」

「ご、ごめんなさい。」

謝ったけど、殴られたり蹴られたり、そのカッターで全身を切られた。そっから僕はずっと感情と痛覚の2つが消えた。それから親は褒めてくれなかった。

「お母さん、僕お勉強で全部できたんだ。」

「そう。当然ね。」

幼稚園でお勉強を頑張っても、運動を頑張っても褒めてくれなかった。そのうち何も話さなくなった。その後お母さんは狂ってしまった。お酒を沢山飲むようになって僕に暴力を奮ってきた。

「あんたなんかいらない!!!!」

そう言われて家を出された。寒かった。暑かった。そんな気持ちしかなかった。死んでも良かった。だけど神様は死なせてくれなかった。

「大丈夫、、?って大丈夫なわけないか。」

少し躊躇っているように手を伸ばしている。けどとても綺麗な金髪のボブヘアに、全て見透かされているような緑の瞳。死にたいのに、生きたいと思ってしまった。

こからかな、僕の日常が変わり始めたのは。

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