周平と会ってしまったあの日から1ヶ月がすぎた。
藤川先生から電話があった。相手の女性への慰謝料と周平との財産分与が合意したとのこと。
相手側とは当初の200万円からつり上げて250万円で合意。
周平とは財産分与500万円で合意。
プラス今後一切、私と愛梨奈に近づかないと念書もとった。
これで終わった。
「藤川先生。何から何までありがとうございました。」
「久々にもえて楽しかったです。」
「フフフ。手強かったですよね。」
「楽しかったです。」
「料金をお支払いしたいです。」
「貰うと所長におこられます。」
「えっ〜。」
「入金があるかだけ確認してください。1週間まっても入らなかったら連絡ください。」
「わかりました。ありがとうごさます。」
「ここからがスタートです。頑張って下さい。」
「ありがとうございます。」
終わったー。すぐにマリに電話した。
「よかったー。リサ達は大阪にこれなくなるっと思ってたよ。本当に良かった。」マリが凄く喜んでくれる。
「う‥‥ぅ゙‥‥‥本当に良かった。あの日から外に出るのが恐かった。本当にうれしい。隆くんと藤川先生に感謝してる。」
「うん。うん。本当に良かった。」
アレから奈良にいても大学の敷地外に出るのは恐かった。買い物も以前なら愛梨奈を抱っこ紐にいれて一緒に行ってたが‥‥‥アレからは必ず託児所に預けていった。最近は、みんな察してくれて「愛梨奈みとくから買い物に行ってきー」って毎日、誰かが声をかけてくれていた。今日からは大丈夫!!みんなに心配かけなくてすむのもうれしい。
まず、真央さんに報告しに理事長室に行く。
話し終えると「辛かったね。よく頑張った。これからでも幸せになれるよ。」
「うん。ありがとう。でも‥‥‥もう恋とか結婚はいいです。」
「何言ってんの〜?まだこれからよ。」
「えぇ〜。えぇ〜。」
「遠くにお嫁に行くのは寂しいから〜柔道部の学生でもOKよ!!20歳以上ならね!!2回生からね!」
「フフフフフフ。ないよ。部のみんなは‥‥‥子供みたいに思ってしまう!!」
「えぇ〜なんで?年下いいよ!」
「もう!」
ハハハハハハ。っと笑う真央さんにつられて愛梨奈が笑う。
「あ〜愛梨奈!!かわいい!今から買い物?愛梨奈おいて行って〜。お願い!」
「買い物は終わったんだけど道場で練習のお手伝いがあるから助かる。ありがとう。」
抱っこ紐を外し愛梨奈を預ける。
道場でも、みんなに報告すると拍手がおきる。
でも、羽野君が‥‥‥
「念書なんてあてにならないから気をつけてね!」
って言ってくる
「うん。わかってるよ。」っとかえす。
水分補給の水・麦茶・スポーツドリンクを準備する。
試合みたいな練習の乱取りをしている。
珍しく羽野君が投げられている。あんなに投げられてる羽野君ははじめて見た。
どうしたんやろ??
監督も腕組をして険しい顔をしてる。
「羽野」って監督が呼ぶ。
2人で真剣に話して乱取りを再開するが投げられる。どうしたんやろ??
悩んでる羽野君ははじめてみる。
練習が終わり。羽野君に声をかける。
「アレから恐くて買い物以外は外出できなかったの。コーヒーショップのカフェラテ飲みたい。ちょっと一緒に行ってほしい。お願い。」って誘う。
「いいっすよ。服を着替えてくるから3分待ってて下さい。」
「うん。OK!」
本当に3分後に羽野君は着替えてくる。
「着替え早いね。じゃー行こう!」
2人で歩いて近くのコーヒーショップに行く。
柔道の話はしない。
ドラマの話や栄養の勉強の話やもうすぐクリスマスって話をする。
コーヒーショップについてカフェラテをテイクアウトする。ブラブラ歩くと駅前に大きなツリーがあった。
「キレイ。」
「‥‥‥。今度は愛梨奈にみせてやりたい。」
「そうだね。次は3人で来よう。」
「うん。」
ツリーをみて帰る途中‥‥‥。「気分転換になった。」羽野君がぽつりと言う。
それを聞いてよかったっと思うが声には出さなかった。